2009年11月28日土曜日

北京陳情村の人々 Petition /上訪


中国/2009/124分
監督:チャオ・リャン (ZHAO Liang)

2009年11月24日火曜日

お父さん、元気?


父親を描いた10篇の短篇によるオムニバス。

  • 監督:張作驥(チャン・ツォーチ)
    阿爸的手錶
    心願 ヤクザの父親。障害を負った娘
    原點 桃園國際機場の搭乗口
    期待 日本人の父親。
    爸爸不要哭
    背影 息子役に「九月に降る風」の張捷(チャン・チエ)
    往日的舊夢 タンゴ
    我怎麼捨得分離 溺れた子供を助ける話
    鐵門 さっさとシャッターを閉めてしまう
    兒子,你還記得什麼嗎 動物園

2009年11月5日木曜日

ゼラチンシルバーLOVE


写真家・操上和美が初メガホンを取った作品。

最初は、音楽もほとんど使わないし、台詞も極少でストーリーも凝っていないので、贅肉のないすっきりと集中させてくれる映画だなとポジティブにとらえたのだけれど、後半になると、もう見せたいものがなんなのか想像がついてしまったので、集中力が続かなくなってしまった。どうやら、監督の写真家・CM撮影人生ではできなかった、長編映画という動く土俵を使いながら、音はがんばらず、シナリオをがんばるでもなく、結局「写真展」を目指したかのような内容は、とても長編映画である利点を生かしていない。むしろ短編にした方が良かったかも知れない。アートとして見ても、新しさはないので、残念。写真としてみると、気になる写真はいくつもあったが、映画としてみると食い足りない。

と、ここまで書いていて気がついたのだけれど、タイトルで「ゼラチンシルバーLOVE」な人向けの映画だったのだな。自分は「ゼラチンシルバーLIKE」ぐらいなので、そこで食い足りなさがあったようだ。映画を期待した自分の選択ミスもあっただろう。

ただ、そもそも製作もCM製作会社のようだし、もともとがそういう人をターゲットにしたものだったのだろう。

良くも悪くも、映画LOVEではなく銀塩写真LOVEの映画。


  • 監督:操上和美
  • 出演:永瀬正敏、宮沢りえ、水野絵梨奈、SAYAKA、天海祐希、役所広司
  • 2008年/日本/87分
  • 作品情報 http://movie.walkerplus.com/mv37833/

2009年11月3日火曜日

PLASTIC CITY|プラスティック・シティ


血とか刀とか拳銃とかバイオレンスとか刺青とか、狂気を表現したがる監督は、正直苦手です。


  • 監督:ユー・リクウァイ
  • プロデューサー:ジャ・ジャンクー
  • 出演:オダギリ ジョー、アンソニー・ウォン、ホァン・イー
  • 配給:ビターズ・エンド
  • PLASTIC CITY プラスティック・シティ - goo 映画
  • 2008年/95分/香港
  • 公式サイト http://www.plasticcity.jp/
  • 作品情報 http://movie.walkerplus.com/mv37867/

2009年11月1日日曜日

一年之初|いちねんのはじめ



  • 2009年/台湾/84分
  • 監督:鄭有傑(チェン・ヨージエ)
  • 出演:柯佳[女燕](クー・ジャーヤン)【バタフライ】、唐宗華(トゥオ・ツォンホァ)【リーシャン】、柯宇綸(クー・ユールン)【ハオズ】、張榕容(チャン・ズォンズォン)【シャオフィ】、王鏡冠(ワン・チングァ)【パン】、許安安(シュー・アンアン)【フィフィ】、黄健[壹+次+心](ホワン・チェンウェイ)【シャウカウ】、卓文萱(ジニー・チュオ)【ガイ】、度宗華(トゥオ・ツェンホア)【社長】、黄健[王韋](ホワン・チェンウェイ)【シャウカウ】
  • 脚本:鄭有傑(チェン・ヨージエ)
  • 撮影:包軒鳴(ジェイク・ポロック)
  • 作品情報 http://movie.walkerplus.com/mv45540/

2009年10月24日土曜日

ヤンヤン|陽陽|Yang Yang

  • 2009年/台湾/112分
  • 監督:チェン・ヨウチェ(鄭有傑)
  • 助監督:トム・リン(林書宇)※九月に降る風
  • 出演:サンドリーナ・ピナ(張榕容)、ブライアン・チャン、ホワン・チェンウェイ
  • 作品情報 http://2009.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=89 (東京国際映画祭)

2009年10月19日月曜日

白タク


東京国際映画祭の平日夜、会社の帰りに観賞。

模範警官なんだけどバイトで白タクをやっている若者シモンが、白タクでアメリカ人を撥ねてしまい、そのときの乗客目撃者ペドロを道連れに逃避行する話。ペドロは恩赦で釈放されたばかりで(60代?)服役している間に音信不通になってしまった息子を探している。道すがら逃げだそうとするが、向かっている先のレイテ島の方に息子が移って住んでいるらしいとわかり、何だか協力的な雰囲気になっていく。けれど実は目的地に着いたら殺されるかもしれないとわかっていて、逆に最後にだまそうとしていたり。

道すがらの登場人物も面白い。ラストシーン近くの彼の息子との電話のシーンは、電話の向こうの声が聞こえないようにしたので、本当にいたのかどうか、自作自演なのではないか・・・事の真相は明らかにされず(それで良かった)、おかげで終わってからも衝撃のラストの伏線としてあれこれと反芻させられるはめに。

ナレーションや最初が説明的な映画にろくなものはないが、これはそれがなく、シーンから一つひとつ背景が紐解かれていく。ロードムービースタイルの良いところだが、『パリ・テキサス』好きだったらきっと気に入るだろうと思えるくらい面白い。監督も好きに違いない。

  • 監督:ジョビン・バレステロス
  • 出演:アルフレッド・ヴァルガス、ルー・ヴェローソ、ホセ・マリ・アヴェリャーナ
  • 2009年/109分/フィリピン/タガログ語

2009年10月11日日曜日

おと・な・り


アパートの薄い壁は、隣のうちの音が聞こえてしまって、良いことはないものだと思っていたが、この話だととてもポジティブ。七緒(麻生久美子)はフラワーデザイナーの資格をとってフランス留学目指している、頑張りすぎている30歳。聡(岡田准一)はカリスマモデルの友だちシンゴのおかげで写真家として売れているが撮りたい風景写真が撮れずに悩んでいる30歳。そんな同じ時期に無理をしている2人を隔てている壁越しに聞こえてくる音は、ふたりをつかの間癒す。コーヒーを挽く音、フランス語の発音の練習の声、花を切る音、そして七緒も聡も口ずさむ、はっぴーえんどの『風を集めて』・・・。お互いが発する音や気配で癒され欠かせない存在になっていく。裏切られて押し殺して泣く七緒の声、聞いているよと言うことを知らせる壁をこつこつ叩く音。しかし次の日、彼女は引っ越して行ってしまう。

現実には、ありえないできすぎのシチュエーションだらけだが、ファンタジーだと思って割り切ってしまえば、よい。はらはらさせるが、悲劇は待っていなかった。

麻生久美子はいつものように期待通りでよかったし、それに加えて、シンゴの恋人役の谷村美月のはじけっぷりが見事。これから気にしたい女優が一人増えたのも収穫。

重力ピエロ


残念。なんだろう、このありえなさが鼻につくのは。原作?演出?監督?好み?


  • 監督:森淳一
  • 原作:伊坂幸太郎
  • 出演:加瀬亮、岡田将生、小日向文世、吉高由里子、岡田義徳、鈴木京香、渡部篤郎
  • 2009年/日本/
  • 公式サイト http://jyuryoku-p.com/main.html
  • 作品情報 http://movie.walkerplus.com/mv38043/

2009年8月9日日曜日

陰日向に咲く



  • 監督:平川雄一朗
  • 原作:劇団ひとり
  • 出演:岡田准一、宮崎あおい、伊藤淳史、平山あや、塚本高史
  • 2008年/日本/129分
  • 作品情報 http://movie.walkerplus.com/mv36870/

つみきのいえ


海の水位が上がり続けている世界。家の回りは一面海。近所はもう引っ越してしまっているが、彼はひとり水が上がるたびに、上に上に積み木のように家を重ね、妻との思い出の詰まった家に住み続けている。水面の上に出ているのは小さな家一つ分。家は細く高く積み重ねてそびえているのではなく、思い出と一緒に水面下に深く深くまで沈んでいる。限りある深い記憶と共に静かに暮らすことを選ん。切なすぎるけれど、じわりじわり同じような世界境遇が迫ってくる恐怖に、揺さぶられる。


2009年8月8日土曜日

ミラクル7号|CJ7 長江七號



サイボーグでも大丈夫


2009年7月13日月曜日

台湾人生

  • 2008年/日本/81分
  • 監督:酒井充子
  • プロデューサー:田辺信道
  • キャスト:楊足妹、塔立國普家儒漾、陳清香
  • http://www.taiwan-jinsei.com/
  • 作品情報 http://movie.walkerplus.com/mv38079/

2009年6月13日土曜日

ヘルベチカ 世界を魅了する書体|Helvetica


久々に見応えのあるドキュメンタリーだった。

Helveticaを褒めたたえる意見、否定的な意見、中間的な意見も含めて構成されているのが新鮮。しかし、新鮮に感じるということは、普段一面的なドキュメンタリーばかり目にしている反動かと気づいて、それはそれで日本の現状に寂しい気持ち。

Helveticaってラテン語でスイス書体という意味だったんだ。
ついでに、スイスのドメイン名は「sw」ではなく「ch」だけど、そのhもHelvetica。

  • 2007年/イギリス/本編80分、特典95分
  • 監督:Gary Hustwit
  • キャスト
    マイケル・ビェルート
    ネヴィル・ブロディ
    デヴィッド・カーソン
    マシュー・カーター
    ウィム・クロゥエル
    エクスペリメンタル・ジェットセット
    トビアス・フレール・ジョーンズ
    ジョナサン・ホーフラー
    ラース・ミュラー
    Norm
    ほか

2009年5月16日土曜日

姿三四郎(1965)


  • 監督 内川清一郎
  • 脚色 黒澤明
  • キャスト:加山雄三(姿三四郎)、三船敏郎(矢野正五郎)、加東大介(村井半助)
  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv21479/



2009年5月5日火曜日

レッドクリフ PartII 未来への最終決戦|赤壁|RED CLIFF: PART II


エンタテイメントとして楽しめた。かなり。なので細かいディティールは言及しないことにした。

でも、最後のメインキャストが集結して、曹操を討たないシーンがあまりに不自然すぎ。史実からするとそこで曹操が死んではいけないのはわかるけれど、だったら敗走することを前提に自然なシーンを作ってほしかった。見た目の迫力、勧善懲悪的なわかりやすさを取ったのはエンタテイメント的には間違っていないし、実際には三国志の予習せずに見る人の方が多いし、歴史なんて気にしてない人の方が多いと思うけれど、両方の人が満足できるようにこだわって作って欲しかった。

あと気になったのは、パート1だけ見てパート2は見るのをやめてしまった人も多いのではないだろうかということ。パート1の方が人物描写を丁寧めにやっていたが、派手さ盛り上がりに乏しく、パート2は戦闘シーンにかなりの時間を割いていたので、人物の紹介はほとんどなし。両方見ないと意味が分からないだろう。昔の大作映画のように、1時間半づつ、間に休憩を挟んで合計3時間というのも、意外に良かったかもと思う。興行形態的にNGなのでしょうね。

それにしても、ヴィッキー・チャオにはもっと良い役良いエピソードをつけてやれなかったものか。もったいない。

  • 監督:呉宇森 (ジョン・ウー)
  • 出演:周瑜(トニー・レオン)、孔明(金城武)、チャン・フォンイー、チャン・チェン
  • ヴィッキー・チャオ、フー・ジュン、中村獅童、小喬(リン・チーリン)
  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv37947/

2009年5月4日月曜日

四川のうた|二十四城記


中国四川省の省都・成都にあった、巨大な国営工場「420工場」が、40年余りの歴史に幕を閉じる。閉鎖されていく工場の産業遺跡のような異様な威容と、解雇されていく労働者たちが、きりっと正面を見て歴史を語っていく。皺の刻まれた顔つきが、リチャード・アベドンのポートレート写真を思わせる。

フィクションが混ざっている賈樟柯得意のドキュメンタリー手法。ずるいと思いつつも、伝えようとしていたことが、伝わりやすくなっているのは確かだろう。素人は素人の、プロにはプロの良さがあると思うが、さすがにプロだからできた演技も入っていて、ぜんぶ素人にこだわらずに適材適所に起用して、結果はよかったろうと思う。

  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv37962/
  • 2008年/中国・日本/112分
  • 監督:賈樟柯(ジャ・ジャンクー)
  • 出演:呂麗萍(リュイ・リーピン)、陳沖(ジョアン・チェン)、趙涛(チャオ・タオ)、陳建斌(チェン・ジェンビン)
  • 撮影:余力為(ユー・リクウァイ)、ワン・ユー
  • 音楽:半野喜弘、林強(リン・チャン)
  • 配給:ビターズ・エンド、オフィス北野
  • 公式サイト:http://www.bitters.co.jp/shisen/
  • 2008年カンヌ国際映画祭 コンペティション部門正式上映作品

2009年5月2日土曜日

九月に降る風|九降風|Winds of September


夏の終わりに、ユーロスペース他で一般公開が決定! 喜ばしい。が、一足先に日本語訳なしのDVDを英語字幕を頼りに浅い理解承知で視聴。

物語は、1997年頃の台北近郊の新竹が舞台。九降風とはそこに9月に吹く季節風のこと。その季節は台湾では卒業から入学のシーズン。高校卒業を目前に控えた男子7人女子2人が、それまでの平和な日常から否応無しに変わっていかなければならなくなっていく様子を描いている。

台湾のアイドル大挙出演する商売的にはアイドル映画だと思うが、よくある演技の淡白さ浅さをあまり感じない。10代を描かせると台湾の映画は秀作が多いと感じる。

何でだろうとおもったら、おまけについていたメイキングビデオでひとつ理解できた。撮影が始まる前にワークショップ(合宿?)で各々が役柄を深めるプロセスがちゃんととられていて、それぞれが、ただ台本を覚えるだけじゃなくてちゃんと自分で役を作ることができていたようだ。役者としては素人のような若者でも、そうしていると撮影中に成長も見られて、それはそれで楽しいだろうな。演じることにはまっていく人もいるだろうから、今後にも楽しみ。日本の邦画バブルもはじけて、ちゃんとそこに時間を割けない事情もあるだろうけれど、先のことを考えて、育てることも考えてほしいものだ。

  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv38264/
  • 2008年/台湾・香港/107分
  • 監督:林書宇(トム・リン)
  • プロデューサー:曾志偉(エリック・ツアン)
  • 出演:鳳小岳(リディアン・ヴォーン)、張捷(チャン・チエ)、王柏傑(ワン・ポーチエ)
  • 公式サイト http://www.9wind.jp

2009年4月1日水曜日

言えない秘密|不能説的・秘密|Secret


  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv37339/
  • 2007年/台湾/102分
  • 監督・脚本:ジェイ・チョウ 周杰倫
  • ジェイ・チョウ 周杰倫(シャンルン 小倫)、グイ・ルンメイ 桂綸鎂(シャオユー 小雨)

2009年3月28日土曜日

海角七号 君想う、国境の南|海角七號


台北でミュージシャンの夢を諦めて故郷に帰って来た阿嘉は郵便配達をはじめる。そこで「海角七号」という今はない住所に宛てた日本からの小包を開けてみてしまう。中には、終戦直後に台湾を離れた日本人教師が台湾の女性に宛てて書いたラブレターが入っていた。そんな中、浜辺で開催される有名日本人歌手・中孝介のコンサートの前座バンドを住民たちで結成するというプランが持ち上がる。

仕事で滞在していた日本人モデルの友子がバンドの取りまとめ役をやらされ、阿嘉を含めたいろんな世代6人の凸凹な即席バンドの練習がスタートした・・・この辺までは登場人物みんなが、怒って口喧嘩をし怒鳴り、ストレスいっぱいのシーンが繰り広げられていたのが、だんだん気持ちが通い合って、次第にひとつにまとまって、幸せな雰囲気に変わっていく。

英語字幕版を観たのでかなり想像力が必要だったが、日本語が3分の一ぐらいあったし、随分わかったような気分で見られた。日本の俳優、女優はそろってかなりの棒読み演技だったが、そこは棚上げにして、ストーリーの興味深さに引き込まれた。

素人を使うのが好きな監督もいるが(市川準監督みたいに)、これも素人を使って成功。

日本語版、早く出てほしい。もう一度ちゃんと見なければ。


2009年3月15日日曜日

春、バーニーズで


西島秀俊、寺島しのぶ。二人ともうまいなー。NHK大河ドラマを観終わってから、しみじみ。それにしても市川準さんは、キャスティングがうまい。はずれは記憶にないぞ。新人の起用も多いから、撮影期間中に成長させたり、うまく導くこともうまいらしいけど。

  • 2006
  • 監督:市川準
  • 原作:吉田修一
  • 脚本:市川準
  • 出演:西島秀俊/寺島しのぶ/栗山千明/倍賞美津子/田口トモロヲ/利重剛/光石研

2009年3月14日土曜日

フライ,ダディ,フライ

  • 監督:成島出
  • 原作:金城一紀
  • 脚本:坂上順、黒澤満
  • キャスト:岡田准一(朴舜臣)、堤真一(鈴木一)、松尾敏伸、坂本真、青木崇高、星井七瀬、愛華みれ
  • 2005年/日本/121分

空中庭園


  • 監督:豊田利晃
  • 原作:角田光代
  • 出演:小泉今日子、板尾創路、鈴木杏、広田雅裕、國村隼、瑛太、今宿麻美、勝地涼、ソニン、永作博美、大楠道代

レッドクリフ Part I|赤壁|Red Cliff


血しぶきのリアルさへの執着や、いかにも金かけてるなーというシーンが気になってしまう。戦いのシーンも、武侠映画だと戦闘に美しい型があるが、これは単なる喧嘩殺し合いシーンになっているので見ていて楽しくない。

老けメイクで男勝りの女傑的役のヴィッキー・チャオもありだなと再発見したのは収穫。PartIIがどれだけ盛り返すかに期待。

  • 2008年/中国/145分
  • 監督・製作・製作総指揮・脚本:ジョン・ウー
  • 出演:トニー・レオン、金城武、チャン・フォンイー、チャン・チェン、ヴィッキー・チャオ、フー・ジュン、中村獅童
  • オフィシャルサイト http://redcliff.jp/index.html
  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv37508/


トキワ荘の青春


若い頃の石森章太郎、赤塚不二夫、藤子不二雄ら、多くのマンガ家たちが青春時代を過ごしたアパート“トキワ荘”。成功していく人、成功できずに去っていく人の、細かな心の機微を丁寧に追っている。主人公である寺田ノブオ氏は若い漫画たちの先輩であり彼らの兄貴的な存在で頼られていくが、同時に彼らの才能や、彼らが売れていくのと自分を比べざるを得ず、また自分が書きたい世界が、発行部数が出なければ生きていけない漫画雑誌に受け入れられなくなっていくことに必死に抵抗するが・・・。

市川監督の映画の多くはそうなのだが、過剰と思われる演出がなく、すごくドキュメンタリーっぽい。古いアパートだし大きな物音を出してよい住環境ではないが、それでも、みんなぼそぼそとしゃべる。日常生活で大声で叫んだりすることはかなり少ないように、喜怒哀楽はとても自然だ。音楽も過剰に流れない。セットなのにセットっぽく見えないように撮っている。照明も自然。廊下は暗く表情もよくみえないがそれで良いのだ。小津度75%。


2009年2月21日土曜日

チェ 39歳 別れの手紙|Che Part2: Guerrilla



  • 監督・脚本・撮影:スティーヴン・ソダーバーグ
  • 出演:ベニチオ・デル・トロ、カルロス・バルデム、デミアン・ビチル、ヨアキム・デ・アルメイダ、エルビラ・ミンゲス
  • 公式サイト http://che.gyao.jp/
  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv37741/

2009年2月15日日曜日

天使の眼、野獣の街|跟蹤|Eye in the Sky


東京では、渋谷のシネマライズでしかやっていないのだが、入ってちょっとビビった。座席はがらがらで観客4人! 超不安。

話は、新人女性警察官が先輩警察官の厳しい指導と厳しい事件捜査を通して成長していく話で、これだけだとどうということはない。しかし、見所は盛りだくさんで主に3つ。

1つ目は尾行を専門とする部署が舞台であること。これは珍しくて知的好奇心という点からも目のつけどころが○だ。監視と尾行をスクリーンで追うのがこんなに面白いとは。

2つ目はヤウ・ナイホイの脚本、演出が出色。最初の導入部分から引き込まれてしまうテンポとカットの素晴らしさ、ハイテンションはらはらどきどきのまま一気に見せ、しかも疲れさせないで最後まで持っていける力量は驚きだ。あ、そこで繋がるのか!あそこ伏線だったの!みたいなところが、なんともやられた~。それでいて仕掛け過多に感じさせない。しかも監督第一作。

3つ目は、主演の彼女の魅力と、助演の男2人(先輩警察官と犯罪側の陰のボスの2人)の魅力。3人とも他の作品も見たいと思った。

観客動員寂しいのは、これはもう宣伝頑張れよーとしか言いようがない。「踊る」よりも個人的に遥かに内容は上だと思う。

  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv37758/
  • 2007年/香港/90分
  • 原題:跟蹤 英題:Eye in the Sky
  • 監督:ヤウ・ナイホイ 遊乃海
  • キャスト:サイモン・ヤム 任達華、ケイト・ツイ 徐子珊、レオン・カーフェイ 梁家輝、ラム・シュ 林雪
  • 配給元 http://www.tornadofilm.jp/lineup/archives/2008/12/post_126.html
  • Award 2007 東京フィルメックス 審査員賞特別賞 コダックVISION アワード 2008 香港電影金像奨 最優秀新人賞、最優秀新人監督賞

チェ 28歳の革命|Che Part1: The Argentin


  • 2008年/アメリカ/132分
  • 原題: Che Part1: The Argentin
  • 監督:スティーヴン・ソダーバーグ
  • 出演:ベニチオ・デル・トロ、デミアン・ビチル、サンティアゴ・カブレラ、エルビラ・ミンゲス
  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv37711/

2009年2月14日土曜日

ダージリン急行|The Darjeeling Limited


 『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』を観てウェス・アンダーソン監督気に入っちゃったので、また観た。父の死をきっかけに仲違いしたままになっていた3兄弟が、一緒にインドの秘境を列車で旅しながら絆が修復されていく物語。またテーマは家族だ。

 ダージリン急行と聞いて、実在の「ダージリン鉄道」を思い浮かべてしまったが、実際には架空の鉄道。この辺、アメリカが舞台だったら混乱させるような名前は付けないんだろうが、舞台を知らない人がやりがちな安易なネーミングだ。ということで、、インドの特定の場所ではない架空の場所だと割り切って頭を切り替えて見る。

 ということで、自分がゆるく寛容に見はじめたら、実際に兄弟3人の行動もいいかげんでおおらかで、だから痛い目には会っているし、それで兄弟の関係も悪くなっていたというのが、物語のスタートラインだった。とてもシリアスな映画にもできるところを、そうせずに全体がちょうどいい感じにゆるい。またm舞台を長距離列車にしたのが大当たり。列車の中でもやはりいい加減な行動を3人それぞれにやっちゃうわけだが、同じ列車の中で合宿をしているみたいだから、けんかいざこざを起こしても、一服しにいって、列車からのインドの風景を見て、過去を振り返って、、、また同じ部屋で顔を会わせて。さっきはゴメンって言って。繰り返すうちに、みんながみんな自分を反省して、相手のことを思いやって。旅が終わる頃には、みんな素直にポジティブに生きていくエネルギーが貯まってくる。自分も、悪いところから希望が見えてくるところまでを、スクリーンの前から一緒に見守ってきたことになるので(部活の合宿を見守る先生みたい)、自分も旅に参加して元気をもらってしまった感じだ。

あと、面白かったのは、スーツケース、バッグの存在感。めちゃくちゃあって、これは確信犯だなーと思って調べたら、ルイ・ヴィトンのマーク・ジェイコブスによるものだった。別にルイ・ヴィトンのファンじゃないけれど、色も使われ方も、この映画のすごいアクセントになっていて、狙い当てられた。舞台の小道具もほとんど現地での手作りらしく、その絵や色もとても魅力的で好き。

そういえば、兄弟っていいもんだなーと思わせるところと、ゆるさ加減で同じなのは『間宮兄弟』か。

  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv36953/
  • 2007年/アメリカ/92分/13分
  • 原題:THE DARJEELING LIMITED
  • 監督:ウェス・アンダーソン
  • 脚本:ウェス・アンダーソン、ロマン・コッポラ、ジェイソン・シュワルツマン
  • キャスト:
  • オーウェン・ウィルソン:フランシス(長男)
  • エイドリアン・ブロディ:ピーター(次男)
  • ジェイソン・シュワルツマン:ジャック(三男)
  • アンジェリカ・ヒューストン:パトリシア(母)
  • カミーラ・ラザフォード:アリス
  • イルファン・カーン:父親
  • ビル・マーレイ:ビジネスマン
  • ナタリー・ポートマン:ジャックの彼女
  • オフィシャルサイト http://microsites2.foxinternational.com/jp/darjeeling/

2009年1月1日木曜日

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ|The Royal Tenenbaums


天才の3兄弟と独裁的な父。そして家族を繋いでいた母。ひとりで凄いことができてしまう天才の子供たちも歳を重ね挫折を経験してだんだん普通の人(というより奇人)になり、離ればなれになってしまった家族の絆を取り戻していく。そんな話。予告編では、天才の奇人ぶりの描写がぶっ飛んでいたので、映画は珍妙で危険な話だと思っていたが、違って、普通に楽しめる映画だった。監督の演出は、ごてごての過剰感は感じることもなく、ちょうどよかった。

話がちょっと似ているなと、すぐ思い出したのは『ホテル・ニューハンプシャー』(ジョン・アーヴィング原作)。若かりしジョディ・フォスター、熊の着ぐるみに入ったナスターシャ・キンスキーがお気に入りだった映画だ。話は家族の再生の物語で確かに似ている。明らかに違うのは『ホテル・ニューハンプシャー』では人がどんどん死んでいってしまうのに対して、こちらは家族の繋がりは壊れるが、死にそうでも一歩手前で踏みとどまる。結局、古い家族の接着剤だった父ロイヤルだけが落とし前をつけて、他のみんなは再生して生き生きしていく。

あたりまえのことだが、あらためて思たのは、天才だって人だし、普通に悩み苦しみはあるし、浮き沈みだってあるよな、そこは同じだなということ。

  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv32280/
  • 2001年/アメリカ/110分
  • 監督: ウェス・アンダーソン
  • 出演:
    Gene Hackman ジーン・ハックマン (Royal Tenenbaum)
    Anjelica Huston アンジェリカ・ヒューストン (Ethel Tenenbaum)
    Ben Stiller ベン・スティラー (Chas Tenenbaum)
    Gwyneth Paltrow グウィネス・パルトロウ (Margot Tenenbaum)
    Luke Wilson ルーク・ウィルソン (Richie Tenenbaum)
    Owen Wilson オーウェン・ウィルソン (Eli Tenenbaum)
    Bill Murray ビル・マーレイ (Raleigh St. Clair)
  • 音楽:"Hey Jude"Beatles, "Wigman"Bob Dylan, "String Quartet in F Major"Maurice Ravel, "Police And Thieves"The Clash, "Gymnopedie #1"Elik Satie, "Billy -Main Title-"Bob Dylan, "Judy IS a Punk"The Ramones. "She Smiled Sweetly"The Rolling Stones, "Stephanie Says"The Velvet Underground, "Ruby Thesday"The Rolling Stones, "Concerto per Liuto E Mandolino"Antonio ViValdi, "Look At Me"John Lennon, "Everyone"Van Morrison
  • 公式サイト http://www.movies.co.jp/royal/