2007年11月30日金曜日

ションヤンの酒家(みせ)


舞台は重慶市旧市街の吉慶街。そこで名物の鴨の首とうまい酒で居酒屋(屋台)を営む女主人。それを演じるタオ・ホンがかっこいい。彼女の台詞も演技も立ち居振る舞いも、全ての完成度が高くて、彼女を見るだけでも価値あった。もともとの地?

日本だったら、同レベルの演技ができるのは鈴木京香ぐらいか。夜の屋台街や暗い病院などの光・灯の使い方の演出も好み。

  • 2002年/中国/106分
  • 監督:霍建起(フォ・ジェンチィ)
  • 原作:池莉(チ・リ)
  • キャスト:陶紅(タオ・ホン)、陶澤如(タオ・ザール)
  • 作品情報 http://movie.walkerplus.com/mv33771/


2007年11月25日日曜日

暗いところで待ち合わせ


(私の見た) 田中麗奈史上、一番の演技。まちがいなく代表作。

田中麗奈が演じるのは、大学在学中に失明後、家に閉じこもりがちになり、家族にも死なれ、ひとりで静かにすごしている女性。

チェン・ボーリンは、いじめにあって疎外感を感じている中国日本のハーフという役。片言の日本語を話しているところは違和感があるが、目力と存在感ある動きはさすが。中途半端な若手俳優を起用していたら、この映画の世界がぶち壊しになっただろうから、よしとする。

2時間を超える映画で、静かな映画にも関わらず、意外性のある展開と演出で、ぐいぐい引き込んで行く力があって、好感が持てた。

設定がほぼ一緒のオードリー・ヘップバーン主演の「暗くなるまで待って」を見直そう。

  • 2006年/日本/129分
  • 監督:天願大介、原作:乙一
  • スタッフ:Rena Tanaka 田中麗奈(Michiru Honma)、Wilson Chen チェン・ボーリン (Akihiro Oishi)、Koichi Sato 佐藤浩市(Toshio Matsunaga)、Haruka Igawa 井川遥(Harumi Mishima)、Mao Miyaji 宮地真緒(Kazue Futaba)、Ittoku Kishibe 岸部一徳(Michiru's father)
  • 田中麗奈オフィシャルサイト http://www.tanakarena.co.jp/
  • 作品情報 http://movie.walkerplus.com/mv35980/


2007年11月24日土曜日

愛,断了線|スカイ・オブ・ラブ


不思議な無線機を通して、現代と20年前の時代の間で話をしてこころを通わせるふたりの物語。ふたりには超えられない運命があって、それを静かに受け入れるところがとにかく切ない。とても似た設定の「イルマーレ」という映画があって、それは2年を超えて2人は手紙を交換し恋をして、運命も変えようとする。運命を変えるのは欧米的、運命を受け入れる方がアジア的に感じる。私には、似た設定でもこっちのほうが好きかな。

そういえば、2008年には日本で、今度は携帯電話が明治時代にタイムスリップして通話して恋をさせる映画ができるようだ。3度目のどじょうを狙うのは、さすがにきついな。


  • 2003年/香港/91分 ※韓国映画『リメンバー・ミー』の香港リメイク
  • 監督:滕華濤 タン・ファータオ Teng Hua-Tao
  • キャスト:朱孝天 ケン チュウ(Ken Chu)(F4)、梁詠 ジジ リョン(Gigi Leung)


2007年11月17日土曜日

無用|Useless / Wuyong


3部構成の中国のファッションに関わる人たちのドキュメンタリー。

  • 1部:大量生産を営む臨海部の民衆
    広東省にある服の工場。裁断、ミシン、チェック、、、など工場のラインを横移動で撮影して行くシーンは最初から、立ってご飯を食べる姿など、いかにも中国に持っているイメージ通りの大量生産「ライン」を強く意識させられる
  • 2部:大量生産否定のアーティスト
    大量生産に疑問を感じて手作りブランドをテーマにしているマー・クーという新進のファッションデザイナー
  • 3部:大量生産否定じゃなく折り合いを付けて生きている内陸部の民衆。
    中国内陸。監督の故郷山西省の湾岸生産の大量生産品にふつうの仕立て屋を廃業に追い込まれて細々と営むリフォーム店や、炭坑労働者などの民衆が描かれる。

民衆が(都会も内陸も)、たくましく生き生き描かれていると感じ、なんだか日本の昭和を見ているみたいで、これはこれで良いではないかと思えた。アーティストはオリジナリティを感じられなくて魅力なし。結局よかったのは、中国民衆のエネルギーの方。

上映後の監督インタビューで、彼には「ドキュメンタリー的に撮る監督映画」という評があるそうだが、これはその逆で、ドキュメンタリーっぽくないドキュメンタリー映画だったので、そこも技術的なところで興味深かった。

こういう地味な主題の映画なのに、東京国際フォーラムホールC(1502席)がほぼ埋まっていた。プレス含みとはいえ、注目度はたいしたものだと思うが、これも東京だからだな。

  • 中国/2007/84分
  • 監督:賈樟柯 ジャ・ジャンクー
  • プロデューサー:趙濤 チャオ・タオ
  • ヴェネチア国際映画祭 最優秀ドキュメンタリー賞

2007年11月3日土曜日

めがね


ゆったりと、ストレスフリーの、アクアセラピーを受けたような気分でした。


  • 2007年/日本/109分
  • 監督・脚本:荻上直子
  • キャスト:小林聡美、市川実日子、加瀬亮、光石研、もたいまさこ