2009年10月24日土曜日

ヤンヤン|陽陽|Yang Yang

  • 2009年/台湾/112分
  • 監督:チェン・ヨウチェ(鄭有傑)
  • 助監督:トム・リン(林書宇)※九月に降る風
  • 出演:サンドリーナ・ピナ(張榕容)、ブライアン・チャン、ホワン・チェンウェイ
  • 作品情報 http://2009.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=89 (東京国際映画祭)

2009年10月19日月曜日

白タク


東京国際映画祭の平日夜、会社の帰りに観賞。

模範警官なんだけどバイトで白タクをやっている若者シモンが、白タクでアメリカ人を撥ねてしまい、そのときの乗客目撃者ペドロを道連れに逃避行する話。ペドロは恩赦で釈放されたばかりで(60代?)服役している間に音信不通になってしまった息子を探している。道すがら逃げだそうとするが、向かっている先のレイテ島の方に息子が移って住んでいるらしいとわかり、何だか協力的な雰囲気になっていく。けれど実は目的地に着いたら殺されるかもしれないとわかっていて、逆に最後にだまそうとしていたり。

道すがらの登場人物も面白い。ラストシーン近くの彼の息子との電話のシーンは、電話の向こうの声が聞こえないようにしたので、本当にいたのかどうか、自作自演なのではないか・・・事の真相は明らかにされず(それで良かった)、おかげで終わってからも衝撃のラストの伏線としてあれこれと反芻させられるはめに。

ナレーションや最初が説明的な映画にろくなものはないが、これはそれがなく、シーンから一つひとつ背景が紐解かれていく。ロードムービースタイルの良いところだが、『パリ・テキサス』好きだったらきっと気に入るだろうと思えるくらい面白い。監督も好きに違いない。

  • 監督:ジョビン・バレステロス
  • 出演:アルフレッド・ヴァルガス、ルー・ヴェローソ、ホセ・マリ・アヴェリャーナ
  • 2009年/109分/フィリピン/タガログ語

2009年10月11日日曜日

おと・な・り


アパートの薄い壁は、隣のうちの音が聞こえてしまって、良いことはないものだと思っていたが、この話だととてもポジティブ。七緒(麻生久美子)はフラワーデザイナーの資格をとってフランス留学目指している、頑張りすぎている30歳。聡(岡田准一)はカリスマモデルの友だちシンゴのおかげで写真家として売れているが撮りたい風景写真が撮れずに悩んでいる30歳。そんな同じ時期に無理をしている2人を隔てている壁越しに聞こえてくる音は、ふたりをつかの間癒す。コーヒーを挽く音、フランス語の発音の練習の声、花を切る音、そして七緒も聡も口ずさむ、はっぴーえんどの『風を集めて』・・・。お互いが発する音や気配で癒され欠かせない存在になっていく。裏切られて押し殺して泣く七緒の声、聞いているよと言うことを知らせる壁をこつこつ叩く音。しかし次の日、彼女は引っ越して行ってしまう。

現実には、ありえないできすぎのシチュエーションだらけだが、ファンタジーだと思って割り切ってしまえば、よい。はらはらさせるが、悲劇は待っていなかった。

麻生久美子はいつものように期待通りでよかったし、それに加えて、シンゴの恋人役の谷村美月のはじけっぷりが見事。これから気にしたい女優が一人増えたのも収穫。

重力ピエロ


残念。なんだろう、このありえなさが鼻につくのは。原作?演出?監督?好み?


  • 監督:森淳一
  • 原作:伊坂幸太郎
  • 出演:加瀬亮、岡田将生、小日向文世、吉高由里子、岡田義徳、鈴木京香、渡部篤郎
  • 2009年/日本/
  • 公式サイト http://jyuryoku-p.com/main.html
  • 作品情報 http://movie.walkerplus.com/mv38043/