2008年7月27日日曜日

ホウ・シャオシェンのレッド・バルーン|LE VOYAGE DU BALLON ROUGE


監督目当てだったのだが、ジュリエット・ビノシュがよい。吹っ切れているというのか、のびのびやれているのか、すごいはまり役だったのか。今まで見た彼女の中で断然一番。

それを引き出したのがホウ・シャオシェンだったのであれば、やっぱり彼が偉いということか。

振り返ってみたら、ここ10年ぐらいの彼女は、全然見ていなかったらしい。

ゴダールのマリア Je vous salue, Marie (1984年)
汚れた血 Mauvais sang (1986年)
存在の耐えられない軽さ The Unbearable Lightness of Being (1988年)
ポンヌフの恋人 Les Amants du Pont-Neuf (1991年)
トリコロール/青の愛 Trois couleurs: Bleu (1993年)

  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv37293/
  • 原題:Le Voyage du Ballon Rouge
  • 2008年/フランス/113分
  • 監督:ホウ・シャオシェン 侯孝賢
  • 出演:ジュリエット・ビノシュ、イポリット・ジラルド、シモン・イテアニュ、ソン・ファン、ルイーズ・マルゴラン
  • 公式サイト http://ballon.cinemacafe.net/


2008年7月26日土曜日

一瞬の夢|小武


中国が急速に発展する中で、人が勝ち組負け組に大きく色分けされていく。

同じスリをしていた2人が、片や成り上がって、片やスリの常習犯のまま。成り上がった男は、結婚するときには祝いをやるという約束を果たそうとする男を、世間からの目を気にして(あるいは自分はやつとは違うという意識か)遠ざけようとする。昔の約束を忘れない男が、社会の中では負け組にされていき、約束も忘れ、古い物を壊して捨てていってしまう方が勝ち組になるのは、どうしても虚しさを感じる。そういうもんじゃないだろう、発展するって。

中国の経済発展の暗い部分をドキュメンタリーちっくに描くのは、ジャ・ジャンクーらしいが、その手法が、20代で作ったこの作品ですでにできあがっているのは、さすがに凄い。

  • 原題:小武
  • 1997年/中国・香港/108分
  • あらすじ - goo 映画
  • 監督、脚本、製作:賈樟柯 ジャ・ジャンクー Jia Zhang Ke
  • 撮影:余力爲 ユー・リクウァイ Yu Lik Wai
  • 録音、編集:リン・シャオリン Lin Xiao Ling
  • 出演:王宏偉 ワン・ホンウェイ Wang Hong Wei(小武)、ハオ・ホンジャン Hao Hong Jian(ヨン)、左百韜 ズオ・バイタオ Zuo Bai Tao(メイメイ)、馬金瑞 マー・ジンレイ Ma Jin Rei(お父さん)
  • 1998年ベルリン国際映画祭 最優秀新人監督賞・最優秀アジア映画賞

2008年7月22日火曜日

崖の上のポニョ


怖い。宗介を追ってくる時のポニョの執着心は、もうただ怖い。でも子供というのはそういうものだろう。ひたすら我がままで、自分のことしか考えていない。ホラー映画よりずっと怖い。宗介も、深く考えることなく、というか5歳だから考えられる頭もないだろうが、人生を簡単に約束してしまう。後悔とか悲しいことが待っているなんて何も考えてないんだろうな。


人間の動物的なところばかり強調しているみたいで、映画が楽天的に見える分、逆に陰の部分が浮き彫りになる。世間評では純粋さに感動したという声が多いようだが、自分は主人公たちに感情移入できずで、感情のままに行動してしまう幼児性の怖さを感じてしまった。


  • 2008年/日本/101分
  • あらすじ - goo 映画
  • 原作・脚本・監督:宮崎駿
  • 製作:鈴木敏夫
  • 声の出演:山口智子、長嶋一茂、天海祐希、奈良柚莉愛、土井洋輝、柊瑠美、矢野顕子
  • 公式サイト http://www.ghibli.jp/ponyo/

2008年7月19日土曜日

西の魔女が死んだ


品川プリンスシネマで視聴。入ったら通常料金でプレミアムシートでゆったり。予告編は今まで何度も遭遇していて、期待して見始める。

とても丁寧に作られた上質な映画でとてもよかった。

山育ちの私は、おばあちゃんと彼女が過ごす山の家からは、本当の森の香りがしてくるようだったし、木立の中で雨が降ったときには、湿った木、土、草の匂い、皮膚感覚を思いだしたような気がした。だんだん麻痺してきている繊細な感覚を取り戻したような、あるいは取り戻さなきゃと思える、よい錯覚をさせてもらった。

また、後ろを向いていても、気配や足音だけで誰が来たかがわかって、さりげなく挨拶できることとか、憎しみの心を持たないこととか。自分で決めてちゃんとやりとげることとか。

Yさんが、原作も映画も良かったのは珍しいという。原作も借りて読もう。

  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv37222/
  • 2007年/日本/1時間55分
  • 監督:長崎俊一
  • 原作:梨木香歩(「西の魔女が死んだ」新潮文庫刊)
  • 脚本:矢沢由美/長崎俊一
  • 出演:サチ・パーカー、高橋真悠、りょう、大森南朋、高橋克実、木村祐一
  • 主題歌:手嶌 葵『虹』(ヤマハミュージックコミュニケーションズ)
  • 音楽:トベタ・バジュン(サウンドスケープCD:Della)

2008年7月13日日曜日

闘茶|tea fight


もっとお茶文化をまじめに描くのかな、とも思っていたが、思いっきりエンタテイメント。少々安易で強引に思える終わり方だったりするけれど、まあ、よしとしよう。思ったより軽く楽しめました。特に台北は好きなので、親近感持って見続けられたし、お茶好きが少しでも増えてくれると、それもまた嬉しいし。

  • 2008年/日本・台湾/102分
  • 原案・監督:王也民 ワン・イェミン ※エドワード・ヤン監督の秘蔵子監督
  • 出演:香川照之(八木圭)、戸田恵梨香(八木美希子)、周渝民 ヴィック・チョウ(楊 ヤン) 、張鈞甯 チャン・チュンニン(如花 ルーファ)、曾志偉 エリック・ツァン(陸羽)、細田よしひこ、ほんこん、藤田陽子
  • 音楽:ショーン・レノン (Sean Lennon)
  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv37277/

2008年7月6日日曜日

時をかける少女


今まで見ないでいてごめんなさい、すごいよかった。

大林監督+原田知世の実写版もよかったけれど、こっちは全く違った面白さがあって、すごいよい。主人公がかなり活発な少女に変わっているのも時代か。

2008年7月5日土曜日

竜馬の妻とその夫と愛人


ずいぶん賞を獲った映画だったようだけれど、、、感動も悲しみも起きなかった。坂本龍馬という英雄のまわりにいた一般人が、英雄がいなくなってもそれを受け入れられずに、主題のない凡庸以下の人生を歩んでいる、それを映像にしただけ? 

それにしても、他の三谷幸喜作品『みんなのいえ(監督:三谷幸喜)』も『笑の大学(監督:星護)』も面白かったのに、、、。この映画の一番の失敗は、三谷幸喜自身が監督しなかったこと。市川準監督だと『トニー滝谷』なんて最高だったのに、、、。この手のコメディ映画向きじゃないということだと思う。


  • 2002年/日本/115分
  • 監督:市川準
  • 原作・脚本:三谷幸喜
  • 出演:木梨憲武(西村松兵衛)、中井貴一(菅野覚兵衛)、鈴木京香(おりょう)、江口洋介(虎蔵)、橋爪功(勝海舟)