2008年8月30日土曜日

人のセックスを笑うな


永作博美の活躍は喜ばしいが、

永作博美。最近ファンが増えている(と思う)。昔から気にしている自分としては、嬉しいような嬉しくないような。いや、喜ばないといけないだろうな。

逆に蒼井優、そろそろパターンが決まってきているような。どうもいつも似たような役をたくさんやっているような、あるいは似たような役を選んでいるのか、何が来ても似たように演じてしまうのか。今ブレイクしてCMにたくさんでているけれど、事務所としては儲けられるうちにめいっぱい儲けて元をとらないとという戦略かもしれんが、もっと女優として幅を深さを広げて欲しい。2年後に昔話にされてしまうような女優にはなって欲しくないから。

ちょっと最近気になるのは、この映画もそうだけど、大学生、大学生活を題材にした映画が目立つこと。で、どうしても内容が浅くて淡泊なんだよな。大学進学率高いし、大学生活は楽で楽しかったなあと思う人が多いからなのか、映画監督・脚本家の若年化と人生経験の少なさからか。海外の映画で大学生活を舞台にした映画って、そんなに多くない気がする。日本映画、創造力減退の兆しか??? 食傷ぎみだぞ。それに若者にももっと大人な世界を見せないと、映画が今以上に幼稚になる。

2008年8月24日日曜日

練習曲|Island Etude


まねして、台湾一周自転車の旅がしたくなる

シネマート六本木で視聴。台湾シネマコレクションのサイトで予告編を見ていて、これは見ておきたいと思ったものなので、期待持って行こうと思っていたのに、時間管理がゆるくてぎりぎりに駆け込むはめになってしまい、連れにはごめんなさい。

大学卒業を前にした耳が不自由な青年ミンが、ギターをかかえて台湾一周の旅に出る。高雄から反時計回りに自転車での旅(映画では台東あたりから始まる)。旅の途中で出会う、映画撮影クルー、リトアニア人女性旅行者、祖父母との再会、逆回りで自転車で旅をする人、リストラ、旧日本の発電所跡の再開発に議論する人々、、、。「台湾を一周することは、人生そのものを旅することに似ているということを表現したかった」と監督のコメントがあったが、なるほどと思ったり、それはちょっと陳腐なテーマだなとも思ったり。強いメッセージを押しつけることなく、自然な演出で、道すがら紡がれるエピソードはどれもドラマチックすぎることはない。社会の中では平凡か弱い側にいる人たち。キャストにもスターはいない。過剰な演技もない。だから、ふだん味わえない刺激ではなく、自分に当てはめてしんみりと感じさせられた。ちょっと離れた日本の中の物語を見ているようで、不思議な親近感。

結局、主人公の彼は主人公ではなく、現代台湾の語り部というか、あまり語れないので、静かなナビゲーターでした。耳が不自由だから各地の物語に積極介入できないが、それがむしろよかったかも。これを見て台湾一周をする人が増えたというが、気持ちはよく分かる。自分のルーツや自分の国を見直す貴重な時間は、こうして日常から離れた旅でないと確認できないなと思うが、そのきっかけもくれる映画。


  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv37385/
  • 2007/台湾/108分
  • 監督 脚本 撮影:陳懐恩(チェン・ホァイェン)※『悲情城市』(撮影)
  • 出演:東明相(イーストン・ドン)、張惠春(Saya) 、達倫(K-One)
  • 2007年台湾映画興収第1位
  • シネマート六本木 台湾シネマ・コレクション2008にて

2008年8月17日日曜日

2046


遅ればせながら視聴。「わからない」という評が聞こえていたので、覚悟して、あまり期待しないで見たが、確かにそうかも。ただ私の場合、この映画の前編扱いの『花様年華』を既に見ていたので、見ていない人よりはるかにわかったに違いないし、その分楽しめた。ウォン・カーウァイ慣れしているからか、わからないことを極端に気にしなくなったし(苦笑)。王菲(フェイウォン)も前から気にしているし。映像の美しさ中心に気楽に見たのが良かっただろう。

いつの間にか、彼の新作が出ると一応チェックしないといけない気分になってきた。ということはファン化してきている証拠か。

  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv33990/
  • 2004年/香港/130分
  • 監督:Wong Ka wai 王家衛 ウォン・カーウァイ
  • 撮影:Christopher Doyle 杜可風 クリストファー・ドイル
  • キャスト:
    Tony Leung 梁朝偉 トニー・レオン(チャウ・モウワン)
    木村拓哉(タク)
    Gong Li 鞏俐 コン・リー(スー・リーチェン)
    Faye Wong フェイ・ウォン 王菲(ワン・ジンウェン/WJW1967)
    Zhang Ziyi チャン・ツィイー 章子怡(バイ・リン)
    Carina Lau カリーナ・ラウ 劉嘉玲(ルル/ミミ)
    Dong Jie ドン・ジェ 董潔(ワン・ジェウェン)

2008年8月11日月曜日

小さな中国のお針子



  • 2002年/フランス・中国/110分
  • 監督:ダイ・シージエ
  • 原作:『バルザックと小さな中国のお針子』( Balzac Et La Petite Tailleuse Chinoise )
  • キャスト:
  • お針子:周迅(ジョウ・シュン)
  • ルオ(羅明):陳坤(チェン・コン)
  • マー(馬剣鈴):劉(リウ・イエ)
  • 村長:王双宝(ワン・シュアンパオ)
  • 仕立て屋:叢志軍(ツォン・チーチュン)
  • メガネ:王宏偉(ワン・ホンウェイ)

2008年8月10日日曜日

薪傳(Legacy)


雲門舞集(クラウド・ゲイト・ダンス・カンパニー)は、台湾を代表するコンテンポラリーダンス集団。世界中で公演を続けていて、その2003年の雲門三十周年記念公演を収録したDVDを鑑賞。

約300年前の、台湾への漢民族の初期入植時代の、大陸を離れる決意、苦難に満ちた航海、荒れ地の開墾、死と誕生、収穫祭などを経て、現代の台湾への祝福、先祖への感謝で終わる、とても分かりやすい。もちろん、説明的な台詞などはないが、ダンサーたちの肉体の表現と色、音楽、衣装で、それを伝えきっていた。それも25年前の演出とは思えないほどモダンでかっこいい。久々にびっくりだ。


2008年8月9日土曜日

おいしいコーヒーの真実|Black Gold


トールサイズのコーヒー1杯330円。
コーヒー農家に支払われる金額は?
わずか、3~9円

この映画は、貧困にあえいでいる農家の実情と、
それを生み出している既特権と必死に戦う、
エチオピアのオロミア州コーヒー農協連の代表メスケラ氏の活動を追ったドキュメンタリーだ。こんなにも身近で、欠かせない飲み物のコーヒーがそれを作っている農家に渡る金額がこんなにも少なくそれが、コーヒー産業を支配する大手企業による理不尽な仕組みの上に成り立っていることがショックだった。

この映画によって、世界中に実情が知られるようになり、フェアトレード製品の普及が進み、何より、当初映画に対してコメントを拒否したり時に妨害していた大手コーヒー企業(クラフト、サラ・リー、スターバックス、ネスレ)が、今では(渋々?)エチオピアのコーヒー豆を買うようになり、事態は進展に向かっている。

美しいものを作るには、醜いことも知っていなければ、作れないというけれど美味しく食べる、美味しく飲むという行為も同じなんだろう。知っていた方がコーヒーを大事に美味しく飲めると思うし、知る前と味わいが変わった気がするし、何ができるか、できることはやろうという気になった。

※フェアトレード・ラベル・ジャパン
http://www.fairtrade-jp.org/

※コーヒー1杯の内訳概算(総務省統計局調査 1998~1999年)

  • 419円
  • タンザニアのコーヒー農家 0.4%(1.4円)
  • タンザニアの流通業者・輸出業者 0.5%(2.1円)
  • 日本の輸入業者・焙煎業者・小売業者 8.2%(34.4円)
  • 日本の喫茶店 90.9%(381円)

※2003年のコーヒー危機時の価格下落後の日本の喫茶店コーヒーとなると、コーヒー農家の取り分は、さらに下がってしまったらしい。



2008年8月3日日曜日

スカイ・クロラ


彼は、永遠に子供で、いつかどこかで会ったことがあるような人に会い、食べたことがあるような味に会い、何度目かの恋をし、何度目かの死を迎える。

彼は、そんな繰りかえしを何とか変えようとする。彼女も別の方法で変えようとする。どちらも変えようとしていることには違いはないのだが、彼女の方は、日々の繰り返しの中にも、細やかな感受性を持って、派手な違いではないけれど、毎日ちょっとした違いを確かめながら生きていくことの大切さを言っているような気がした。

生きるための選択のしかたには、彼のような、と、彼女のような、があって、どっちもありなんだろうと思う。

押井監督作品の中で、一番わかりやすかったかもしれない。

  • 2008年/日本/
  • 監督:押井守
  • 原作:森博嗣
  • 脚本:伊藤ちひろ
  • 声の出演:菊地凛子、加瀬亮、谷原章介、竹中直人、榊原良子、栗山千明
  • 公式サイト http://sky.crawlers.jp/index.html