2007年2月24日土曜日

さくらん


映画のパーツパーツは、見どころが多い。特にグラフィック。さすが各業界の注目の才能がやってるだけある。しかし残念でしょうがないのは、とにかくバラバラ、散漫。映画としての完成度は最初から諦めて、とにかく個性を見せつけるんだと割り切っていたかも。けど、だとしても、脚本と編集(監督の編集能力を補佐する人?)にはプロをつけて欲しかった。原作から変なところ削ってかえってわかりにくくしてるし、逆に余計な話をくっつけて、それが日暮の良さである切れ味を甘くして終わらせてしまった。とにかく残念。

忌野清志郎が一瞬出てたけど、ファンだけど、全然嬉しくなかった。ほかにも色々出ていたみたいだけど、そういうの余計な出演者のせいで、せっかく流れている話の緊張感が途切れてしまう。どうしてそういうことするかなー。売れるためにはいろいろ仕込まなきゃってことかもしれないけど。

  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv36489/
  • 2007年/日本/111分
  • 監督:蜷川実花
  • 原作:安野モヨコ 音楽:椎名林檎
  • 出演 :土屋アンナ 、椎名桔平 、菅野美穂 、木村佳乃

2007年2月12日月曜日

それでもボクはやってない


ショック。無罪を出すということは、検察にも警察にたてつくこと、つまり国にたてつくことになる。昇進して偉くなろうと思っている裁判官は、効率よく裁判の数を稼ぎ、正しい裁判のためにいたづらに時間を費やすようなことをやっている人などいないのだろうか。裁判を取り巻く人々もほとんどが公務員≒サラリーマンだということを考えると、信じたくはないが、そうなっているのか。

どこかで、最後の砦として裁判所があると信じてきた。「ほんとうにやっていなかったら、きっと分かってくれるはずだ」と思っていた。はっきり言わなくても分かってくれること助けてくれることを期待していた。しかし、実際問題こうなっているのが全面的ではないにしろ、人によるのだとしても、かなり本当だとすると、私の感覚は大甘なのだと思わざるを得ない。まだ、そういう場面に遭遇しないで生きてこられたのは、とてつもなく幸運なだけだったのかと、突きつけられた心境。

こういう映画ができることで、真っ当な裁判が増えること、真っ当でない裁判=無罪が有罪にされてしまうようなことが行われないような、抑止力になってくれることを願うばかり。


  • 2007年/日本/143分
  • 監督・脚本:周防正行
  • 出演:加瀬亮、瀬戸朝香、山本耕史、役所広司
  • オフィシャルサイト:http://www.soreboku.jp/index.html