2008年9月24日水曜日

麦秋



  • 1951年/日本/125分
  • 監督:小津安二郎
  • キャスト:原節子 ハラセツコ(間宮紀子)、笠智衆 リュウチシュウ(間宮康一)、三宅邦子 ミヤケクニコ(史子)、菅井一郎 スガイイチロウ(周吉)、東山千栄子 ヒガシヤマチエコ(しげ)、淡島千景、杉村春子

2008年9月20日土曜日

午後3時の初恋|沈睡的青春|Keeping Watch

 

得した気分。というのも、映画の題名がどうも好きじゃなかったので、行かないことにしていたが、「見といたほうがよいよ」という薦めがあったので見に行ったら、おおーー!だったから。

まず、主人公を演じる張孝全。『花蓮の夏』で見たときは、悪くないかなくらいだったが、今回の一人二役の演技で見直した。映画初出演だという新人の郭碧[女亭]も、不思議な存在感があり、今後期待できるかもと思う。九份近くの山間を舞台にしていて、その緑や滝、鉄道も素朴で懐かしくさせられるよい舞台(そんなに遠くない将来に行くだろう。たぶん。)。後でパンフレットを読むと、監督の意図としては、主人公の記憶が過去のある時点で止まってしまったこと過去の出来事が現在に大きく影響していることを考慮して、過去という時代にあった雰囲気を作るためだとか。単に観光目的とは違うっぽので好感度アップ。などなど、たくさんの拾い物をして得した気分。

それにしても、当初見る気にさせなかった元凶の邦題は問題だと思う。浅い感じしかしない邦題なのに、中身はとても深いし、たぶん?ハッピーエンドじゃなさそうな気がする?し単純じゃない。そのへん私には好みだったが、商業的にはそれじゃだめだという判断で、ちょっと偽ったのかな。


晴れた家 ※トニー滝谷・メイキング


お悔やみ 市川準監督

昨日、市川準監督が亡くなってしまった。
59歳はあまりにも早すぎる。

『トニー滝谷』のメイキング。珍しく劇場でレイトショー公開もされたこの映画?を見て、監督の姿、話し、佇まいを見て、もうこれ以上新しい作品は見られないのだと、あらためて確認させられた。

2003年夏の二週間、横浜市緑区の高台にある広大な空き地で、真夏の暑い陽射しの中、みんながステージと呼んだその場所は、ときには主人公トニー滝谷の仕事部屋となり、家に衣装部屋になり、ときにはトニーがA子へプロポーズの場所になり、様々な場所に姿を変えていた。あの緊張感のあるセットが、一日一日刻一刻と舞台さんたちの力で作っては壊し作っては壊していたことは驚きだった。また、自転車に乗ったり、役者の演技に嬉しそうに微笑む監督、空き地でトロンボーン吹いたり、一人演技の練習をするイッセー尾形、駆け足の練習をしたり、イッセイ尾形とアドリブで演技して大笑いする宮沢りえ。映画で感じられた抑制された温度とは裏腹な、現場のスタッフ、キャストのリラックスした姿、裏の姿を見ると、やはり、充電をしないと、よい演技、表現、アウトプットはできないのだなということを、確認させられた。

それにしても、市川準監督の死去。まだ飲み込めない。まだ素直にお悔やみが言えない。

PS.村上春樹原作の映画はなかなかOKをとるのが難しいらしくて少ないが、2010年公開目指して『ノルウェーの森』がトラン・アン・ユン監督の手で映画化される。見たら、きっと比較してみるだろうな。

  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv41428/
  • 2005年/日本/
  • 監督:村松正浩
  • キャスト:市川準、イッセー尾形、宮沢りえ
  • 本編DVDの中に、特典として同梱

2008年9月15日月曜日

おくりびと


手捌きだけ見ていても美しい

テーマがいい。よくぞこのテーマ『納棺師』を映画にした。俳優も、もっくん、いい(呼び方が古い(苦笑)。流れるように自然でスムーズな手さばき、指先まで演技をしている。チェロを弾く姿も含めて、美しい。山崎努、笹野高史もすばらしい。

だからなのだが、あまりにも惜しい、広末涼子が。彼女のせいではないと思うが、ミスキャストではないかと思う。彼らと比較するのはかわいそうかもしれないが、対等に語れない。残念だけれど。

もうひとつ残念なところ、最後はもっと丁寧に終われなかったものか。ぶち切り感が残った。


  • 2008年/日本/130分
  • あらすじ - goo 映画
  • 監督:滝田洋二郎
  • 脚本:小山薫堂
  • 音楽:久石譲
  • 出演:本木雅弘、山崎努、広末涼子、余貴美子、吉行和子、笹野高史

2008年9月7日日曜日

TOKYO!


新しいTOKYO!は見つからなかった

最後に救われた。同じアジア人だからなのかどうかはわからないが、前の2人とは雲泥の差。よく日本を理解していると思えるし、今の日本を代表する社会的テーマを、うまく切り取った。それにしても、最近の香川照之は凄い。当たってる。見る映画見る映画、ぜんぶ彼の魅力で持って行っちゃっている。


  • 2008年/日本・フランス・ドイツ・韓国/110分
  • 『TOKYO!<インテリア・デザイン>』
    監督+脚本:ミシェル・ゴンドリー
    出演:藤谷文子/加瀬亮/伊藤歩/大森南朋/妻夫木聡/でんでん 他
  • 『TOKYO!<メルド>』
    監督+脚本:レオス・カラックス
    出演:ドゥニ・ラヴァン/ジャン=フランソワ・バルメール/石橋蓮司/北見敏之/嶋田久作 他
  • 『TOKYO!<シェイキング東京>』
    監督+脚本:ポン・ジュノ
    出演:香川照之/蒼井優/竹中直人/荒川良々/山本浩司/松重豊 他
  • 公式サイト http://tokyo-movie.jp/