2014年12月31日水曜日

看見台湾|天空からの招待状


11月9日。日本で12月末に公開になる『看見台湾』のブルーレイを妻が買ってきてくれたので、一足早く視聴できた。

あらすじは知っていたけど、あらためて鳥の眼から見た風景は新鮮だ。きれいなところだけ見せる観光目的映像ではなく、現実のシビアな問題がその風景に現れているところを、そのまま見せつける。守るべき美しいところと、しれが壊されている姿との落差が、鳥の眼からだからわかる。実は監督が見せたかったのはこれなのかと、大きなショックを受ける。ドキュメンタリー映画は映像の美しさにまでこだわったものに出会ったことはほとんどないが、このテーマは、作品としての映像の質の高さにこだわったから、伝わるのだと思った。

これ以上は書かないでおこう。今度あらためて、西島秀俊さんナレーションの日本版を、映画館の大画面で見るのが楽しみだ。

さて大晦日。
シネマート六本木に西島秀俊さんの日本語ナレーション版を見に行った。しかし、大落胆。オープニングで右下隅に翻訳者さんの名前が出たが日本人ではなかったので嫌な予感がしたのだが、終わったら妻はとにかく翻訳が悪すぎ、ネイティブチェック入れてないと憤懣やるかたなし。また、必要以上に音量が大きかったのと、スピーカーの定格入力を超えているのか、音割れを起こしていてちょくちょく耳障り。良かったのは、大画面だからか自分もヘリに乗っていて酔ってしまいそうなリアル感があったことぐらい。DVDのほうが良かった。元はよかったので残念極まりない。



2014年12月23日火曜日

そこのみにて光輝く

  • 2013年/日本/120分
  • 原作:佐藤泰志
  • 監督:呉美保
  • 脚本:高田亮
  • キャスト:綾野剛(達夫)、池脇千鶴(千夏)、菅田将暉(拓児)、高橋和也、火野正平
  • 詳細:http://movie.walkerplus.com/mv53750/

そして父になる


  • 2013年/日本/121分
  • 監督・脚本:是枝裕和
  • キャスト:福山雅治(野々宮良多)、尾野真千子(野々宮みどり)、真木よう子(斎木ゆかり)、リリー・フランキー(斎木雄大)、田中哲司、風吹ジュン、樹木希林、國村隼
  • 賞:第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門 審査員賞
  • 詳細:http://movie.walkerplus.com/mv52314/


2014年11月22日土曜日

櫻の園


ロシアの劇作家アントン・チェーホフ作の「櫻の園」と言えば、日本の演劇を志す人には欠かせない作品で、高校の文化祭などでも上演されることが多いらしいが、その「櫻の園」が上演開始されるところまでの2時間を描いている。

この映画をはじめて観たのは、20年以上前。その時、女子校の2、3年生の揺れている気持ちをうまく自然に演じている女優たち、それと中原俊監督の緻密でこれ以上ない完成度の演出にびっくりした。今回、あらためて観て、当時の印象と変わらないこと、変わらず見てよかったと思えたことに、少々びっくりだった。

振りかえると、芸術性の高い映画、難しいとされる映画を、再び見ると、当時わからなかったことが、いろいろわかることが多い。全然面白いと思わなかった映画がおもしろかったりする。逆に、エンタテイメント性の高い映画の場合、こんなレベルだったのかとがっかりすることがある。どちらも当時より自分の理解力が増していることや、考え方が成熟しているからだろうが、これはそんな差異を感じなかった。

まったく色褪せない完成度に拍手。


  • 1990年/日本/96分
  • 監督:中原俊
  • 脚本:じんのひろあき
  • 原作:吉田秋生
  • キャスト:志水由布子(ドゥニャーシャ / 部長):中島ひろ子、杉山紀子(ヤーシャ):つみきみほ、倉田知世子(ラネフスカヤ):白島靖代、久保田麻紀(ロパーヒン):梶原阿貴、城丸香織(舞台監督):宮澤美保、里美先生:岡本舞
  • 演奏:熊本マリ「ショパンの主題による変奏曲」
  • 詳細:http://movie.walkerplus.com/mv26455/
  • Wikipedia : http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AB%BB%E3%81%AE%E5%9C%92_(%E6%BC%AB%E7%94%BB)



2014年10月31日金曜日

恋人たちの食卓|飲食男女|Eat Drink Man Woman


魚を澄んだ水からつかみあげ、捌く、油で揚げ、野菜や肉を切る小気味よくリズミカルな音、無駄のない手の動き、、、料理人の美しく鮮やかすぎる職人技のクローズアップで一気につかまれる。

しかし、それが日曜日の午後で、夕飯は、父と娘3人が過ごす定例行事になっていて、それはあまり歓迎されてないことがわかってくる。これ以上なく美味そうに見える料理なのに、それに反して人間たちは必ずしも幸せではない。

ここまでで、もう興味ががっちり掴まれてしまった。

舞台は台北。一流ホテルの料理長(圓山大飯店の設定)を務めていた父親は、妻をなくして16年娘3人を育ててきた。子離れできない父と、父が心配で家を離れられないが、恋も結婚もしたい娘らそれぞれの転機が訪れてくる話。

わかりやすい話と思って展開をある程度先読みしながら見ていくのだが、随所随所でびっくりな展開がでてくる。他の作品でもそうだが、アン・リー監督にはやられてしまう。実は監督脚本の手のひらの上。参った。
  • 1994年/台湾/125分
  • 監督:アン・リー 李安
  • キャスト:ラン・シャン 郎雄(チュ氏 老朱)、ヤン・クイメイ 楊貴媚(チアジェン 家珍)、ウー・チェンリン 呉倩蓮(チアチエン 家倩)、ワン・ユーウェン 王渝文(チアニン 家寧)
  • 作品詳細:http://movie.walkerplus.com/mv16788/

2014年10月30日木曜日

四月は君の嘘


やっぱりこのマンガだったら、曲をわかって読まないと。
ということで、リストにしてみました。
11巻(完結?)が待ち遠しい。

講談社公式挿入曲 ( Youtube )

単行本第1巻 宮園かをり演奏曲 クロイツェル
https://www.youtube.com/watch?v=eRQZkeEYMko

単行本第1巻 有馬公生演奏曲 キラキラ星変奏曲
https://www.youtube.com/watch?v=XYe_3T8G5JI

単行本2巻 デュオ演奏曲 序奏とロンド・カプリチオーソ
https://www.youtube.com/watch?v=n1MJmliSTIk

単行本3巻 相座武士演奏曲 ショパン エチュード10-4
https://www.youtube.com/watch?v=y5jBKlzBeDc

単行本4巻 井川絵見演奏曲 バッハ平均律1-3
https://www.youtube.com/watch?v=0AeW24p2_Ao

単行本4巻 井川絵見演奏曲 ショパン 「木枯らし」
https://www.youtube.com/watch?v=SkHVuGcC7iQ

単行本5巻 有馬公生演奏曲 ショパンエチュードop.25-5
https://www.youtube.com/watch?v=TlbC0Qm2-ZQ

有馬公生演奏曲 バッハ平均律1-15
https://www.youtube.com/watch?v=Vz_hdH0O1Kk

有馬公生演奏曲 「愛の悲しみ」ラフマニノフ
https://www.youtube.com/watch?v=lEEHAxUyL5A

四月は君の嘘 「愛の悲しみ」世界初!クライスラー on ラフマニノフ
https://www.youtube.com/watch?v=V-dH5wz5q4w

公生+凪 ピアノ連弾曲「薔薇のアダージオ」
https://www.youtube.com/watch?v=KIWVf6exCRc

公生+凪 ピアノ連弾曲 組曲《眠りの森の美女》より〈ワルツ〉
https://www.youtube.com/watch?v=4EEA6e687Nc

  • TVアニメ「四月は君の嘘」オフィシャルサイトhttp://www.kimiuso.jp
  • 著者・原作:新川直司


2014年10月20日月曜日

ウェディング・バンケット|喜宴|The Wedding Banquet


台湾からアメリカに帰化した青年とアメリカ人青年の同性カップルが、早く結婚して孫が欲しい両親のプレッシャーをかわすためにグリーンカードが欲しい上海出身の女の子と偽装結婚して起こる騒ぎの物語。

作風は、小津安二郎風の作風をよく消化して取り入れているように感じた。ただ違うのは、アメリカの現代の社会問題をいくつも扱っていて、小津映画にあまり感じなかったところだったので、そこがアン・リー監督の特長だろうか。

  • 1993年/台湾、アメリカ/106分
  • 監督:アン・リー 李安
  • キャスト:ウィンストン・チャオ(ウェイトン 高偉同)、ミッチェル・リヒテンシュタイン(サイモン)、メイ・チン(ウェイウェイ 顧葳葳)、ラン・シャン(ウェイトンの父)、グァ・アーレイ(ウェイトンの母)
  • ベルリン国際映画祭金熊賞(グランプリ)受賞
  • 作品詳細:http://movie.walkerplus.com/mv10108/

2014年10月14日火曜日

光にふれる|逆光飛翔|Touch of the Light


全盲のピアニストが逆境を乗り越えて夢をつかもうとする、実話を元にした話。
こういう設定だと、見るに堪えない薄っぺらい作品の可能性もあるかもと思って心配していたが、そんなことは杞憂だった。

短編のドキュメンタリーがベースになってて、その監督がそのままこの作品の監督をやっているとのことだが、やっぱり土台がドキュメンタリーの人だけに、しっかりと描こうとしているようだ。何より、障害を持つ人に対するまわりの反応は、いろいろなのが現実だと思うが、まさに現実との違和感を抱かないような描き方をしている。

しかし、最初は全盲という障害のある人の生き方にスポットをあてていると思い込んでいたが、シャオジエがダンサーになることを諦めかけていることが語られるあたりから、2人とも同じような人生のタイミングにあることがわかってきた。実は設定が目立っているが、伝えたい主題は決してそこだけではなく、人がよく陥る、夢に向かってこだわってやり遂げようとせずに、かなり途中であきらめてしまうこと、それを乗り越えることの大切さを訴えようとしているのかなと、感じてきた。結果的に成功者になれるかとは別に、自分が納得できるところまでやり切れたかどうかが、とても大切だなと感じさせてくれた。

光が象徴的に挿入されていて、ドキュメンタリーではあまり見ない演出ではあるが、ちょうどよくシンプルで美しい使われ方をしていた。

  • 2012年/台湾・香港・中国/110分
  • 監督:チャン・ロンジー 張榮吉
  • 提供:ウォン・カーウァイ 王家衛
  • 作曲:ホアン・ユィシアン 黄裕翔
  • キャスト:ホアン・ユィシアン 黄裕翔(ユィシアン)、サンドリーナ・ピンナ 張榕容(シャオジエ)、リー・リエ 李烈(ユィシアンの母)、ファンイー・シュウ 許芳宜(ダンス講師)
  • 公式サイト http://hikari-fureru.jp/
  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv54618/
  • 東京国際映画祭 http://2012.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=89

2014年10月5日日曜日

最後の晩餐|分手合約


韓国ドラマお得意の『辛く苦しい状況を乗り越えて愛を貫く純愛物』というシチュエーション。
だが、キャストもロケーションも台湾+中国だからか、台湾ドラマのB級っぽさも加えて、いいとこ取りをした感じ。ユーモアも、しんみり感も、みんなほどほどに加減がよい。
台湾の役者さんが多いからか、ハングルとか大陸の中国語の喧嘩しているような語感のトゲトゲ感がなく感じて、楽にみられた。

  • 2013年/中国・韓国/103分
  • 監督:オ・ギファン
  • キャスト:バイ・バイホー 白百何(チャオチャオ)、エディ・ポン 彭于晏(リー・シン)、ペース・ウー(チョウ・ルイ)
  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv54544/
  • 公式サイト http://bansan-movie.com/

2014年10月4日土曜日

ウォールフラワー|The Perks of Being a Wallflower


繊細な人が繊細な人と接していると
細かいところまでわかりあえるから、気持ちも楽になる。
食べ物も、楽しみも、音楽も細かいところまでわかりあえるから楽しい。

でも、なんでも繊細な人はなかなかいないし
なんでも大雑把な人もなかなかいない。
自分の気持ちを保護するために、大雑把になった人だっている。きっと。
とても繊細な壊れやすい人たち、そこかしこにたくさんいるかもしれない人たちを、
だいじに丁寧にあつかった映画だったように感じた。

  • 2012年/アメリカ/103分
  • 監督・脚本:スティーヴン・チョボスキー
  • キャスト:ローガン・ラーマン(チャーリー)、エマ・ワトソン(サム)、エズラ・ミラー(パトリック
  • 公式サイト http://wallflower.gaga.ne.jp/
  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv53985/


2014年10月2日木曜日

推手|すいしゅ|Pussing Hands


アメリカ人女性と夫の中国人、北京生まれの祖父朱老人。家族であっても、容易にわかりあえない双方のもどかしさを中心に、全編通じて人間関係が描かれるが、それが太極拳の優雅な動きを挟みながら描かれる。それがなかったら辛いだけのシーンも、気持ちを切らさずに見せていく。

中で、印象深かった言葉を2つメモ。

「相手のバランスを崩して自分の安定を保つ。攻められたらその力をかわし、相手にそれを返す。力を抜いて、抵抗せず、手は接触させたまま・ ・・」

最後の方で、朱老人の息子が「推手」(=太極拳)について説明をするのだが、それが、人と人との付き合い方を普遍的に表しているようで面白い。

「あんた中国出身だな。中国ではなんでも分け合うんだろ。その考えが怠け者をつくる。役立たずめ。中国へ帰って他人のスネをかじれよ。ここはアメリカだ。分け合いはしない。自分のものは自分で稼ぐんだ」

これは、朱老人と対立する中華料理店のオーナーの言葉だ。

現在の中国だったら、アメリカと価値観は近い気がするが、そのまた昔の朱老人が生きた北京はそうだったのか(分け合っていた)と思うと、それが失われたのは(たぶん)ちょっと残念な気がした。また、当時は古い中国とアメリカの対比の表現だったのだろうが、現代の日本とアメリカ・中国との違いにも思えてしまった。

終盤に向けて、対立していた関係も表面的には穏やかになっていく。しかし、最後に朱老人が心を許せるようになるのは趙夫人。育った場所、時代が同じで、たぶん良し悪しの価値観がとても近い超夫人と近くなり、その他の人とは距離を置く。推手は処世術、かわすテクニックであって、結局は、世代価値観が同じ人との方がうまくいくと言っているように思えた。

推手的なやり方が大切だということを描いて終わるのかと思っていたら、所詮それはテクニック、必要悪だよ、簡単にわかりあえたりしないさとつぶやいているようで、またこの監督は癖があるなと感じた。とても考えさせられることが多い、良作だった。

  • 1991年 / 台湾 / 108分 ※アン・リー監督の商業映画デビュー作
  • 原題 推手|Pussing Hands
  • 監督:アン・リー 李安 Ang Lee
  • キャスト:ラン・シャン 郎雄(朱老人)、ワン・ライ 王莱(陳夫人)、ワン・ボー・チャオ 王伯昭(アレックス 暁生)、
  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv29722/

2014年9月20日土曜日

愛・アマチュア


ハル・ハートリー監督の映画といえば、90年代に欧米のインディペンデント系の映画に興味を持っていた人なら知っているだろう。その後2000年以降、日本では公開がなかったので忘れ去られてしまっていたかもしれないが、今年になって新作が公開されたらしい(今頃になって知った)。あわせてなのか、このAmateur含め、再公開。再評価の動きは喜ばしい。

また、大資本でデコレーションされた映画よりも、素材の良さ命のインディペンデントな映画の方が好みなので、大歓迎。

しかし予告編( http://moviecollection.tv/trailer/13335 )では、「ハル・ハートリーがかえってきた」ってコピーにしてしまうのは、ちょっと失礼だ。日本が彼の作品を呼ばなくなっただけで、彼が日本に帰ってきたわけではないので事実と違うだろうと思った。奥様は日本人だし、何度も来日はしていたんじゃないかとも思うし。

  • 1994年/アメリカ
  • 監督・脚本:ハル・ハートリー
  • キャスト Isabelle イザベル・ユペール、Thomas マーティン・ドノヴァン、Sofia Ludens エリナ・レーヴェンソン
  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv10587/

2014年9月8日月曜日

あの頃、君を追いかけた|You Are the Apple of My Eye


見終わってしばらくの間、自分の昔のいろいろな場面を思い出して、心があったかくざわざわ。この映画は、このところ、ありそうで全然めぐり合っていなかったのだけれど、たまたま、同時にTSUTAYAで借りてきてた「建築学概論」も同じ系統の「初恋もの」の映画で、比較しつつ楽しく観させてもらった。

高校生、大学生がどういうことに興味を持ってたのかって、同じ年代の欧米の映画を見ると、どうも違いを感じてしまうけれど、この映画に出てくる台湾は、こんなに似ているんだとびっくりするぐらい同じで、だから、より強く共感できたっぽい。

欧米の映画でこういうのを感じるものになかなか会えない一方で、台湾ものでは、ときどきこういううれしい映画に会えるので、アンテナを張り続けてしまうんだな、俺。

  • 2011年/台湾/110分
  • 監督・脚本・原作  ギデンズ・コー(九把刀)
  • 撮影 ジョウ・イーシエン(周宜賢)
  • 出演 クー・チェンドン(柯震東)/コートン、ミシェル・チェン(陳妍希) /チアイー、スティーブン・ハオ(郝劭文)/ミンハ、ジュアン・ハオチュエン(荘濠全)/グオション、イエン・ションユー(鄢勝宇)/ボーチュン 勃起,、ツァイ・チャンシエン (蔡昌憲)/マタカキ、フー・チアウェイ(胡家瑋)/チアウェイ
  • オフィシャルサイト http://www.u-picc.com/anokoro/index.html
  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv53461/
  • facebook https://www.facebook.com/anokoro2013/


建築学概論


そもそも、DVDを借りる時にタイトルの「建築」に引っかかって借りたのだが、期待以上に佳いものでした。

建築学概論の基礎ともいうべき、自分が住んでいる土地や建物の歴史をよく知るためのフィールドワークをやっているところや、間取りを話し合っているところ、新築を予定していたのに、昔の思い出を残したリノベーションに変更するとか、家の施工で現場の職人さんに具体的に指示出ししているところ、納期問題でもめてしまったり、初作品が完成して満足感に浸って屋根の上に寝そべっているところ。そんなくだりが、見ているだけで、自分でもそうしそうで、楽しかった。にこにこしながら観ていただろう。

あの頃、君を追いかけた」共々、「初恋」ものジャンルとしてとても評価されているみたいだが、自分にとっては、そのテーマは、よい脇役として引き立ててくれたみたいだ。


2014年8月23日土曜日

永遠の0


先に本を読んでしまっているときはいつもなんだけれど、ダイジェスト感が気になる。原作には出ていた胡散臭い新聞記者が登場しないことになっていたり、思い切って削ったとは思うけれど、それでも話の端折りすぎが気になった。読んでいたから、補えてわかる部分が多かったけれど、読んでいなかった人には厳しい作りだったのではないかな。原作の問題じゃなく、監督・脚本の出来の問題。これは、思い切って長尺の映画にして、しっかり描いてもらいたかった。昔は予算の限りがあると、まず使えるフィルムの長さが少なくなったり、たくさんのテイクを撮れないなどあったけれど、現代はそんなに大きな影響はないはずだし。

それにしても、岡田くんはいい役者に成長しているね。「おと・な・り」で良いなと思ったけれど、今、彼の演技は安心して見ていられる。

  • 作品情報 http://movie.walkerplus.com/mv50804/
  • 2013年/日本
  • 原作:百田尚樹
  • 監督:山崎貴
  • キャスト:岡田准一(宮部久蔵)、三浦春馬(佐伯健太郎)、井上真央(松乃 )、濱田岳(井崎:戦時中)、田中泯(景浦:現代)、吹石一恵(佐伯慶子)、夏八木勲(賢一郎)

2014年6月21日土曜日

超高速!参勤交代


いつもながら、佐々木蔵之介、最高! 出演作はみんな見に行かなくちゃ!

  • 2014年/日本/119分
  • 監督:本木克英
  • キャスト:佐々木蔵之介(内藤政醇)、深田恭子(お咲)、伊原剛志(雲隠段蔵)、寺脇康文(荒木源八郎)、上地雄輔(秋山平吾)、西村雅彦(相馬兼嗣)
  • 作品情報 http://movie.walkerplus.com/mv54437/


2014年6月8日日曜日

GF*BF|女朋友。男朋友


最近の台湾の映画を見ていると、「いちいち、日本とすごい似ているな」と感じて親近感を持つことが多いのだが、この映画はそうはいかない。舞台はたかだか30年前なのに、戒厳令下で、言論表現の自由はないし、(今もあるけれど)若者男子は兵隊にいかなければならない。今の日本とは似ていると思っても、違いもはっきりある。

1985年、三人は高雄にある同じ高校の同級生。いつも一緒の仲良し三人組。
国民党の一党独裁の政治下で、みかけは自由だけれども、本当の自由はない。学校での髪型は女子はおかっぱ、男子はスポーツ刈り。厳しく言論規制をしている。街で人気があったのは「民主」「自由」「フォルモサ」といった地下書。

1987年、戒厳令解除。台湾に民主化の波が押し寄せる。1990年3月、中正記念堂前で行われた最大の学生運動に 大学生になった三人は参加。

その後は、3人とも報われない三角関係の結末に向かっていく。けれど、オープニングとエンディングが、ここまで印象深く繋がった映画は、これまでなかったかもしれない。


2014年6月1日日曜日

罪の手ざわり|天注定|A Touch of Sin


今までのジャジャンクー監督作品になく、バイオレンスな描写が多いとわかっていたので、妻とは一緒に観にいかなかった。観たら、長回しが好きな監督だと思っていたのだが、かなりカット割りが細かく、新しい撮り方にチャレンジしているのかなと。熟成されてどう進化していくのか期待させられた。
  • 2013年/中国、日本/129分
  • 監督:ジャ・ジャンクー
  • 監督:ジャ・ジャンクー 賈樟柯
  • キャスト:チャオ・タオ 趙涛(Xiao Yu )、チアン・ウー 姜文(Dahai)、ワン・バオキアン(Zhou San)、ルオ・ランシャン(Xiao Hui)
  • オフィシャルサイト http://www.bitters.co.jp/tumi/
  • 詳細情報 http://movie.walkerplus.com/mv53549/

2014年5月10日土曜日

テルマエ・ロマエII


  • 2014年/日本/113分
  • 監督:武内英樹
  • キャスト:阿部寛(ルシウス)、上戸彩(山越真美 )、北村一輝(ケイオニウス)、市村正親(ハドリアヌス)
  • 作品情報 http://movie.walkerplus.com/mv52590/

2014年5月3日土曜日

世界の果ての通学路|Sur le Chemin de l'ecole|On the Way to School


あたりまえに水が飲めたり、決まった時刻に電話やバスがちゃんと来たり、学校に通って勉強ができたり。世界には、まだまだ学びたくても学ぶ機会がない子供達がたくさんいる。学ぶ権利が欲しくてももらえない子がたくさんいる。一歩日本を離れると、あたりまえじゃない現状を見ると、今の日本に暮らしていること、社会を作り上げてくれた先人に感謝して、自分にできる貢献をしていかないと。あまり学ばずに社会に出て、もっと学生時代に勉強をしていればよかったと後悔しないように、機会を無駄にしないようにしないと。

この映画を見て「日本人でよかったね」と思って終わる人は多いと思うけど、そんなことじゃいかん。

  • 公式サイト http://www.sekai-tsugakuro.com/
  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv55266/
  • 2012年/フランス
  • 監督:パスカル・プリッソン
  • 4つのドキュメンタリー
    1 : ジャクソンと妹は野生の象やキリンを避けながらサバンナを駆け抜ける。
    2 : カルロスと妹は雄大なパタゴニア平原を愛馬でひた走る。
    3 : ザヒラはモロッコのアトラス山脈を臨む山奥の村から寄宿学校へと通う。
    4 : インドで暮らす生まれつき足が不自由なサミュエルは弟たちの引く車いすで登校。

2014年4月29日火曜日

神宮希林 わたしの神様


夢は牛のお医者さん

実現するまで頑張った少女はもちろん偉かったのだが、それより感心したのはテレビ新潟のスタッフのジャーナリスト根性。よくぞ小学3年生の少女の夢を、実現する大人まで、カメラで追っていたなと。ネタを信じた嗅覚と、それを追い続けた粘りとかが偉かったなと感心した。


  • 作品情報 http://movie.walkerplus.com/mv55291/
  • 2014年/日本/86分
  • 監督:時田美昭
  • テーマ音楽:本宮宏美
  • ナレーション:横山由依(AKB48)
  • 配給:テレビ新潟

チョコレートドーナツ|ANY DAY NOW

  • 2012年/アメリカ/97分
  • 監督:トラヴィス・ファイン
  • 脚本:トラヴィス・ファイン 、 ジョージ・アーサー・ブルーム
  • キャスト:アラン・カミング(ルディ)、ギャレット・ディラハント(ポール)、アイザック・レイヴァ(マルコ)
  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv55070/

2014年2月2日日曜日

セデック・バレ 第一部 太陽旗 第二部 虹の橋



  • 作品情報 第一部 http://movie.walkerplus.com/mv50313/
  • 原題:賽德克・巴萊(上):太陽旗
  • 2011年/台湾/143分
  • 第二部 http://movie.walkerplus.com/mv50314/
  • 原題:賽德克・巴萊(下):彩虹橋
  • 2011年/台湾/131分
  • 監督:ウェイ・ダーション
  • キャスト:リン・チンタイ(モーナ・ルダオ:壮年)、マー・ジーシアン(タイモ・ワリス)、ビビアン・スー(高山初子:オビン・タダオ)、ランディ・ウェン(マホン・モーナ)、安藤政信(小島源治)


2014年1月4日土曜日

桃(タオ)さんのしあわせ|桃姐



  • 2011年/中国、香港/119分
  • 監督:アン・ホイ
  • 脚本:スーザン・チャン
  • キャスト:ディニー・イップ(桃)、アンディ・ラウ(ロジャー)、チン・ハイルー(チョイ主任)、チョン・プイ(キン)、サモ・ハン・キンポー(映画監督)、アンソニー・ウォン(バッタ)、ツイ・ハーク(映画監督)、ワン・フーリー(ロジャーの母)
  • 作品情報 http://movie.walkerplus.com/mv50631/