2014年11月22日土曜日

櫻の園


ロシアの劇作家アントン・チェーホフ作の「櫻の園」と言えば、日本の演劇を志す人には欠かせない作品で、高校の文化祭などでも上演されることが多いらしいが、その「櫻の園」が上演開始されるところまでの2時間を描いている。

この映画をはじめて観たのは、20年以上前。その時、女子校の2、3年生の揺れている気持ちをうまく自然に演じている女優たち、それと中原俊監督の緻密でこれ以上ない完成度の演出にびっくりした。今回、あらためて観て、当時の印象と変わらないこと、変わらず見てよかったと思えたことに、少々びっくりだった。

振りかえると、芸術性の高い映画、難しいとされる映画を、再び見ると、当時わからなかったことが、いろいろわかることが多い。全然面白いと思わなかった映画がおもしろかったりする。逆に、エンタテイメント性の高い映画の場合、こんなレベルだったのかとがっかりすることがある。どちらも当時より自分の理解力が増していることや、考え方が成熟しているからだろうが、これはそんな差異を感じなかった。

まったく色褪せない完成度に拍手。


  • 1990年/日本/96分
  • 監督:中原俊
  • 脚本:じんのひろあき
  • 原作:吉田秋生
  • キャスト:志水由布子(ドゥニャーシャ / 部長):中島ひろ子、杉山紀子(ヤーシャ):つみきみほ、倉田知世子(ラネフスカヤ):白島靖代、久保田麻紀(ロパーヒン):梶原阿貴、城丸香織(舞台監督):宮澤美保、里美先生:岡本舞
  • 演奏:熊本マリ「ショパンの主題による変奏曲」
  • 詳細:http://movie.walkerplus.com/mv26455/
  • Wikipedia : http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AB%BB%E3%81%AE%E5%9C%92_(%E6%BC%AB%E7%94%BB)