魚を澄んだ水からつかみあげ、捌く、油で揚げ、野菜や肉を切る小気味よくリズミカルな音、無駄のない手の動き、、、料理人の美しく鮮やかすぎる職人技のクローズアップで一気につかまれる。
しかし、それが日曜日の午後で、夕飯は、父と娘3人が過ごす定例行事になっていて、それはあまり歓迎されてないことがわかってくる。これ以上なく美味そうに見える料理なのに、それに反して人間たちは必ずしも幸せではない。
ここまでで、もう興味ががっちり掴まれてしまった。
舞台は台北。一流ホテルの料理長(圓山大飯店の設定)を務めていた父親は、妻をなくして16年娘3人を育ててきた。子離れできない父と、父が心配で家を離れられないが、恋も結婚もしたい娘らそれぞれの転機が訪れてくる話。
わかりやすい話と思って展開をある程度先読みしながら見ていくのだが、随所随所でびっくりな展開がでてくる。他の作品でもそうだが、アン・リー監督にはやられてしまう。実は監督脚本の手のひらの上。参った。
- 1994年/台湾/125分
- 監督:アン・リー 李安
- キャスト:ラン・シャン 郎雄(チュ氏 老朱)、ヤン・クイメイ 楊貴媚(チアジェン 家珍)、ウー・チェンリン 呉倩蓮(チアチエン 家倩)、ワン・ユーウェン 王渝文(チアニン 家寧)
- 作品詳細:http://movie.walkerplus.com/mv16788/