2009年3月28日土曜日

海角七号 君想う、国境の南|海角七號


台北でミュージシャンの夢を諦めて故郷に帰って来た阿嘉は郵便配達をはじめる。そこで「海角七号」という今はない住所に宛てた日本からの小包を開けてみてしまう。中には、終戦直後に台湾を離れた日本人教師が台湾の女性に宛てて書いたラブレターが入っていた。そんな中、浜辺で開催される有名日本人歌手・中孝介のコンサートの前座バンドを住民たちで結成するというプランが持ち上がる。

仕事で滞在していた日本人モデルの友子がバンドの取りまとめ役をやらされ、阿嘉を含めたいろんな世代6人の凸凹な即席バンドの練習がスタートした・・・この辺までは登場人物みんなが、怒って口喧嘩をし怒鳴り、ストレスいっぱいのシーンが繰り広げられていたのが、だんだん気持ちが通い合って、次第にひとつにまとまって、幸せな雰囲気に変わっていく。

英語字幕版を観たのでかなり想像力が必要だったが、日本語が3分の一ぐらいあったし、随分わかったような気分で見られた。日本の俳優、女優はそろってかなりの棒読み演技だったが、そこは棚上げにして、ストーリーの興味深さに引き込まれた。

素人を使うのが好きな監督もいるが(市川準監督みたいに)、これも素人を使って成功。

日本語版、早く出てほしい。もう一度ちゃんと見なければ。


2009年3月15日日曜日

春、バーニーズで


西島秀俊、寺島しのぶ。二人ともうまいなー。NHK大河ドラマを観終わってから、しみじみ。それにしても市川準さんは、キャスティングがうまい。はずれは記憶にないぞ。新人の起用も多いから、撮影期間中に成長させたり、うまく導くこともうまいらしいけど。

  • 2006
  • 監督:市川準
  • 原作:吉田修一
  • 脚本:市川準
  • 出演:西島秀俊/寺島しのぶ/栗山千明/倍賞美津子/田口トモロヲ/利重剛/光石研

2009年3月14日土曜日

フライ,ダディ,フライ

  • 監督:成島出
  • 原作:金城一紀
  • 脚本:坂上順、黒澤満
  • キャスト:岡田准一(朴舜臣)、堤真一(鈴木一)、松尾敏伸、坂本真、青木崇高、星井七瀬、愛華みれ
  • 2005年/日本/121分

空中庭園


  • 監督:豊田利晃
  • 原作:角田光代
  • 出演:小泉今日子、板尾創路、鈴木杏、広田雅裕、國村隼、瑛太、今宿麻美、勝地涼、ソニン、永作博美、大楠道代

レッドクリフ Part I|赤壁|Red Cliff


血しぶきのリアルさへの執着や、いかにも金かけてるなーというシーンが気になってしまう。戦いのシーンも、武侠映画だと戦闘に美しい型があるが、これは単なる喧嘩殺し合いシーンになっているので見ていて楽しくない。

老けメイクで男勝りの女傑的役のヴィッキー・チャオもありだなと再発見したのは収穫。PartIIがどれだけ盛り返すかに期待。

  • 2008年/中国/145分
  • 監督・製作・製作総指揮・脚本:ジョン・ウー
  • 出演:トニー・レオン、金城武、チャン・フォンイー、チャン・チェン、ヴィッキー・チャオ、フー・ジュン、中村獅童
  • オフィシャルサイト http://redcliff.jp/index.html
  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv37508/


トキワ荘の青春


若い頃の石森章太郎、赤塚不二夫、藤子不二雄ら、多くのマンガ家たちが青春時代を過ごしたアパート“トキワ荘”。成功していく人、成功できずに去っていく人の、細かな心の機微を丁寧に追っている。主人公である寺田ノブオ氏は若い漫画たちの先輩であり彼らの兄貴的な存在で頼られていくが、同時に彼らの才能や、彼らが売れていくのと自分を比べざるを得ず、また自分が書きたい世界が、発行部数が出なければ生きていけない漫画雑誌に受け入れられなくなっていくことに必死に抵抗するが・・・。

市川監督の映画の多くはそうなのだが、過剰と思われる演出がなく、すごくドキュメンタリーっぽい。古いアパートだし大きな物音を出してよい住環境ではないが、それでも、みんなぼそぼそとしゃべる。日常生活で大声で叫んだりすることはかなり少ないように、喜怒哀楽はとても自然だ。音楽も過剰に流れない。セットなのにセットっぽく見えないように撮っている。照明も自然。廊下は暗く表情もよくみえないがそれで良いのだ。小津度75%。