2009年10月19日月曜日

白タク


東京国際映画祭の平日夜、会社の帰りに観賞。

模範警官なんだけどバイトで白タクをやっている若者シモンが、白タクでアメリカ人を撥ねてしまい、そのときの乗客目撃者ペドロを道連れに逃避行する話。ペドロは恩赦で釈放されたばかりで(60代?)服役している間に音信不通になってしまった息子を探している。道すがら逃げだそうとするが、向かっている先のレイテ島の方に息子が移って住んでいるらしいとわかり、何だか協力的な雰囲気になっていく。けれど実は目的地に着いたら殺されるかもしれないとわかっていて、逆に最後にだまそうとしていたり。

道すがらの登場人物も面白い。ラストシーン近くの彼の息子との電話のシーンは、電話の向こうの声が聞こえないようにしたので、本当にいたのかどうか、自作自演なのではないか・・・事の真相は明らかにされず(それで良かった)、おかげで終わってからも衝撃のラストの伏線としてあれこれと反芻させられるはめに。

ナレーションや最初が説明的な映画にろくなものはないが、これはそれがなく、シーンから一つひとつ背景が紐解かれていく。ロードムービースタイルの良いところだが、『パリ・テキサス』好きだったらきっと気に入るだろうと思えるくらい面白い。監督も好きに違いない。

  • 監督:ジョビン・バレステロス
  • 出演:アルフレッド・ヴァルガス、ルー・ヴェローソ、ホセ・マリ・アヴェリャーナ
  • 2009年/109分/フィリピン/タガログ語