夏の終わりに、ユーロスペース他で一般公開が決定! 喜ばしい。が、一足先に日本語訳なしのDVDを英語字幕を頼りに浅い理解承知で視聴。
物語は、1997年頃の台北近郊の新竹が舞台。九降風とはそこに9月に吹く季節風のこと。その季節は台湾では卒業から入学のシーズン。高校卒業を目前に控えた男子7人女子2人が、それまでの平和な日常から否応無しに変わっていかなければならなくなっていく様子を描いている。
台湾のアイドル大挙出演する商売的にはアイドル映画だと思うが、よくある演技の淡白さ浅さをあまり感じない。10代を描かせると台湾の映画は秀作が多いと感じる。
何でだろうとおもったら、おまけについていたメイキングビデオでひとつ理解できた。撮影が始まる前にワークショップ(合宿?)で各々が役柄を深めるプロセスがちゃんととられていて、それぞれが、ただ台本を覚えるだけじゃなくてちゃんと自分で役を作ることができていたようだ。役者としては素人のような若者でも、そうしていると撮影中に成長も見られて、それはそれで楽しいだろうな。演じることにはまっていく人もいるだろうから、今後にも楽しみ。日本の邦画バブルもはじけて、ちゃんとそこに時間を割けない事情もあるだろうけれど、先のことを考えて、育てることも考えてほしいものだ。
- 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv38264/
- 2008年/台湾・香港/107分
- 監督:林書宇(トム・リン)
- プロデューサー:曾志偉(エリック・ツアン)
- 出演:鳳小岳(リディアン・ヴォーン)、張捷(チャン・チエ)、王柏傑(ワン・ポーチエ)
- 公式サイト http://www.9wind.jp