2007年1月21日日曜日

世界|The World


北京のテーマパークが舞台。地方出身者が夢を持って集まってくるが、現実を目の当たりにして、ひとつひとつ諦めていく人々が描かれる。きっと世界中のどこの都会でも同じなのだろう。現実に近い世界をこれでもかこれでもかと突きつけ続ける。現実から逃避できる場所として映画館に行く人も多いだろうに。これをみるとネガティブな再確認になる。

人々の夢の象徴である「世界」を、夢をテーマパーク「世界」で済ませる人。そこを仕事場とする人。都会で根無し草の不安感、行き場のない閉塞感を持って生きている人々。このぐらいいいだろう、このぐらいしょうがないだろうと、日頃誰もがやっている小さな罪を目の当たりにして懺悔させて、追い込んで、追い込んで、袋小路に追い詰めて。

でも、追い込まれた袋小路で、後ろの戸が開いて、こっちだよ、とちょっと救われる。空騒ぎな元気な姿で始まり、2時間以上の、目をそらすことのできないシーンの連続は、結局最後に救ってもらった感じ。

こういう映画は、残ってしまいます。いじめられた後に助けられたみたいで、まいった。

ふと、「あの夏、いつか静かな海」を見直したくなりました。

  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv34528/
  • 2004年/日本,フランス,中国/133分
  • 監督・脚本:Jia Zhang Ke 賈樟柯 ジャ・ジャンクー 撮影:Yu Lik-Wai 余力爲 ユウ・リクウァイ 音楽:Lim -Giong 林強 リン・チャン 製作:オフィス北野
  • キャスト:Zhao Tao 趙濤 チャオ・タオ(Tao)、Chen Taisheng 成泰■ チェン・タイシェン(Taisheng)
  • オフィシャルサイト http://www.bitters.co.jp/sekai/