モンゴルの遊牧民の少女が、一匹の犬と出会うことから始まる物語。
モンゴルの人々の生活をしっかり映像で見たのは初めてなのに、前から知っていたようなモンゴルの人々がスクリーンの中にいた。身近ではなかなか見ることができないような笑顔が見られた。文明というものに囲まれて欲望をかき立てられて生きている私の生活からは、絶対得られない自然な生活を見た。大仰な効果音もないし、俳優のオーバーアクションもない。素材のまんまのモンゴルの人々を丁寧に丁寧に写し取られていて、こつこつ素朴にたくましく生活している様子が、すごく自然に伝わってきた。
どうしてそんなに自然に感じたのかと考えたら、「自然を屈服させるのではなく、自然や動物と共に生きる」そんな彼らの人生観が、私も自然に思っていることだったから共感しやすかったのかなと思った。
- 2005年/ドイツ・モンゴル/
- 監督・脚本:ビャンバスレン・ダバーン
- 出演:ナンサル・バットチュルーン、ウルジンドルジ・バットチュルーン、ツォーホル
- オフィシャルサイト http://www.tenku-nansaa.com/