2008年5月17日土曜日

風の前奏曲


19世紀から20世紀に生きた実在のラナート奏者の成長物語。他の奏者との演奏バトルもあり、幸せな音色、荒い音色など、いろいろなラナートの音色が堪能できて、耳に心地よかった。木琴の音色って温かかったなー。19世紀のタイの宮廷文化や人の振る舞い、民度の高さ深みにとても親近感を持った。日本と似ているかも。

侵略国が言語を支配するのと同時に文化も支配するのはよくあることだけれど、タイの1930年代の戦時下に、独立を保つために日本に学んだ近代化政策のひとつとして、自国民が伝統を潰そうとしたなんて、ほんと危なかったんだな。今残っていて良かった。

タイでは大ヒットしたらしいが、グローバル化経済危機などで、タイ人の心のよりどころの危機があった時期に、これがタイの伝統やアイデンティティの確認になったんだとか。

タイ、もう5年くらい行ってない。また行きたいー。


  • 2004年/タイ/105分
  • 監督: イッティスーントーン・ウィチャイラック
  • 出演: アヌチット・サパンポン / アドゥン・ドゥンヤラット / アラティー・タンマハープラーン / ナロンリット・トーサガー / ポンパット・ワチラバンジョン / プワリット・プンプアン
  • 作品情報 http://movie.walkerplus.com/mv34576/