2007年9月4日火曜日

悲情城市


舞台は台湾台北郊外。日本の敗戦に始まり、台北に国民党政権が誕生するまでの4年間、社会の変化に翻弄される一家を中心の物語。

清に支配され、日清戦争に負けて日本に割譲され支配され、ようやく解放されると思ったら、大陸からやってきた外省人に支配される。そんな、辛い歴史的政治的背景について考え、そして最近何人かできた台湾の友人のルーツについて考えさせられた。文化的に全くかけ離れた国の映画を見るよりも接点が多いからか、ちょっとずらすだけで理解できる感じがある。

この映画に出てくる台北郊外の九分の生活シーンは、日本式と中国式の不思議な折衷になっていて、それらを見ているだけでもとても面白い。3月に初めて台北に旅行に行ったので知識も間違いなく増えているのだが、知れば知るほど、世界の中で一番近い国になってきた。台湾の映画は当分いろいろ見ることに決定。

「非情」ではなく「悲情」なんだね。


  • 1989年/台湾/159分
  • 監督:侯 孝賢(ホウ・シャオシエン) 脚本:呉 念眞、朱 天文
  • 出演:トニー・レオン、シン・シューフェン、リー・ティエンルー