2007年7月1日日曜日

緑茶|Green Tea


大学院生ウー・ファンと、バーでピアノを弾く女性ランラン。そっくりだが性格は正反対。その両方を好きになる男ミンリャンの話。昼の北京のカフェで緑茶を飲みながらのシーンが多い。緑茶は、日本のと違ってグラスに注がれた湯にお茶の葉を注ぎ入れるので湯の中でゆらゆらする茶葉を見ているだけで飽きない。そこで語られるウー・ファンの話が毒気があって面白い。全編の表現は、スタイリッシュというか、洗練されている。テーマも、決して押しつけ感がない。その辺がモダンだ。よい意味で私のイメージしてきた中国映画じゃない。

ここ最近、自然に見られる中国映画が増えてきた。この「緑茶」もそうだが、他では「世界」(賈樟柯 ジャ・ジャンクー監督)も。2人とも1960年から70年代生まれで、彼らを中国映画の監督第六世代というそうだ。

ちなみに、張藝謀(チャン・イーモウ)に代表される第五世代の監督たちは、国の開放政策のなかで、国家予算で映画を作ることができた。 一方、第六世代は、独力で資金を調達しなければならなくなり、自然とインディペンデント映画的になっていった。どこの国にもいるインディペンデント系の人とどこか同じにおいがするなと思ったが、なるほど。

当分、彼らの世代に期待していこう。夏には賈樟柯監督の『長江哀歌(原題 / 英題 : 三峡好人 / STILL LIFE)』も見られるし。

  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv35526/
  • 2002年/中国/89分
  • 監督: チャン・ユアン 張元 Yuan Zhang 撮影監督:クリストファー・ドイル 杜可風 Christopher Doyle
  • 出演:チアン・ウェン 姜文 Jian Wen/チン・ミンリャン、ヴィッキー・チャオ 趙薇 Vicki Zhao/ウー・ファン、ランラン


2007年6月23日土曜日

大人は判ってくれない|Les Quatre Cents Coups


本当のことを言ってもわかってもらえないし、力では大人にかなわないし、大人は頭ごなし。だから反抗する、逃げる。小さな嘘から、小さな犯罪をし、それを止めてくれる大人も叱ってくれる大人もいない、愛情もかけてもらえない。信頼できるのは親友との友情だけ。鑑別所に送られ、そこも逃げ、走る。

全編通して、12歳のアントワープ少年の眼から、できの悪い大人ばかりが描かれているが、時代が変わっても今の時代も同じようなものかもしれない。大人は自分が子供だった頃のことを忘れてしまうものなのか。ばかですね。しかし、大人になればなったで、その上には老頭、既得権益に死ぬまでしがみつく人たちがいるし、順繰り順繰り。・・・まいった。

20年前にオールナイト5本立てかなにかで見たことは覚えていたが、内容は全然覚えていなかった。今の方がずっとわかる。20年前に共感できる自分でありたかった。それが残念。

  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv12862/
  • 原題:Les Quatre Cents Coups
  • 1959年/フランス/100分
  • 監督:フランソワ・トリュフォー
  • キャスト:Jean Pierre Leaud ジャン・ピエール・レオ (Antoine Doinel)、Claire Maurier クレール・モーリエ (His Mother)、Albert Remy アルベール・レミ (His Father)、Guy Decomble ギイ・ドコンブル (Petite Feuille)



2007年6月22日金曜日

終電車|Le Dernier Metro


1944年のドイツに侵略されたパリが舞台。カトリーヌ・ドヌーブ演じるマリオンがユダヤ人夫を劇場の地下室にかくまって、そこにレジスタンス、ドイツにとり入る人、ドイツ将校などの思惑が交錯し、そこに男2人女ひとりの物語というフランス映画によくあるシチュエーションが重なり進んで行くサスペンス。しかし、地下室に隠れていつ見つかって収容所に送られるとも知らない身でありながら新作の演出にこだわったり、妻の恋の行方にどこか楽しげな夫、レジスタンス活動をしながらもやはり俳優を楽しんでいる男。重くも描ける題材なのに、そうではなく、しっかりエンタテイメントに仕上げるあたりは、さすがに晩年のトリュフォーたる所以か。細かいところの作りもさすがにちゃんとしていたので、安心して楽しめました。

しかし、トリュフォーって脚フェチだったんだね。どの映画もそう。もしかしてフランス男って多いのか~?

  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv11319/
  • 原題:Le Dernier Metro
  • 1980年/フランス/131分
  • 監督・脚本:Francois Truffaut フランソワ・トリュフォー
  • 撮影:Nestor Almendros ネストール・アルメンドロス
  • 音楽:Georges Delerue ジョルジュ・ドルリュー
  • キャスト:Catherine Deneuve カトリーヌ・ドヌーヴ (Marion Steiner)、Gerard Depardieu ジェラール・ドパルデュー (Bernard Granger)、Jean Poiret ジャン・ポワレ (Jean Loup Cottins)


2007年6月16日土曜日

紅いコーリャン|紅高梁



  • Red Sorghum 紅高梁
  • 1987年/中国/91分
  • 監督:Zhang Yimou 張藝謀 チャン・イーモウ
  • キャスト:Gong Li 鞏俐 コン・リー (九児)、Jian Wen 姜文 チアン・ウェン (余占鰲)、勝汝駿 トン・ルーチェン (羅漢)


2007年6月2日土曜日

アメリカの友人|Der Amerikanische Freund


ストーリーは荒いと思うし部分の完成度を求めたらいろいろでてくる。
けど、そういう細かいところじゃなく、勢いとか、雑なところとか含めて、かっこいい。

  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv11130/
  • Der Amerikanische Freund
  • 1977年/西ドイツ、フランス/126分
  • 監督:Wim Wenders ヴィム・ヴェンダース
  • 製作:Michael Wiedermann ミハエル・ヴィーデマン、Pierre Cottrell ピエール・コトレル
  • 原作:Patricia Highsmith パトリシア・ハイスミス
  • 撮影:Robby Muller ロビー・ミュラー
  • 音楽:Jurgen Knieper ユルゲン・クニーパー
  • キャスト:Dennis Hopper デニス・ホッパー (Tom Ripley)、Bruno Ganz ブルーノ・ガンツ (Jonathan Zimmermann)


2007年6月1日金曜日

パリ、テキサス |Paris Texas


学生の時分に観た映画を20年以上も経ってから見ると感じることが全然違う。それなりに社会経験もして、知っていることが多くなってきたからか、ことごとく違っている。それに、まだ制作国が、西ドイツ。壁の崩壊は1989年11月9日だから、世界情勢も凄く違っていた時代に作られていたけれど、自分もずいぶん、成長したということだろう。成長していることの確認としては嬉しいが、当時の未熟さを知るとちょっと残念。

とはいえ、パリ、テキサス。やっぱり良かった。最高。よかったイメージだけは残っていたけれど何が?というと具体的に言えないくらい遠い彼方にいってしまっていた。ライ・クーダーの音楽もサントラ買っていたくらいだが、映像と一緒になるとやっぱり格段によい。ナスターシャ・キンスキーもやっぱりよいし。これで、あらためてMYお気に入りリストに復活できたのは、旧友に会えたみたいですごく嬉しい発見。

どうでもよいことだけど、ジョン・ルーリーがちょい役で出てたのね。当時は彼のこと知らなかったけど。

  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv11080/
  • 1984年/西ドイツ フランス/146分
  • 監督:Wim Wenders ヴィム・ヴェンダース
  • 脚本:Sam Shepard サム・シェパード
  • 音楽:Ry Cooder ライ・クーダー
  • キャスト:Harry Dean Stanton ハリー・ディーン・スタントン(Travis)、Nastassja Kinski ナスターシャ・キンスキー(Jane)、Dean Stockwell ディーン・ストックウェル(Walt)、Aurore Clement オロール・クレマン(Anne)、Hunter Carson ハンター・カーソン(Hunter)


2007年5月29日火曜日

迷子


  • 2003年/台湾/88分
  • 監督・脚本:李康生 リー・カンション、製作:蔡明亮 ツァイ・ミンリャン
  • キャスト:陸奔静 ルー・イーチン、ミャオ・ティエン、チャン・チェア


2007年5月25日金曜日

紅夢 | 大紅燈篭高高掛|Raise the Red Lantern


怖い。作り物のホラー映画なんかよりずっと怖い。人の恨みとか妬み、憎悪って。

赤と蒼と白を思いっきり意図的に構成した映像が隙なく決まっていて美しいが、それもかえって冷たくて怖い。

  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv16303/
  • 大紅燈篭高高掛/1991年/香港 中国/
  • 監督:チャン・イーモウ 張藝謀 Zhang Yimou
  • 製作総指揮:ホウ・シャオシェン 侯孝賢 Hou Hsiao Hsien、チャン・ウェンツゥオ 張文澤 
  • キャスト:コン・リー 鞏俐 Gong Li(頌蓮)、ホー・ツァイフェイ 何賽飛 Caifei He(梅珊)


2007年5月20日日曜日

東京物語


脱帽です。

この完成度へのこだわり、美意識。人の気持ちの細かい動きまでも表現する細やかさ。凄い。この厚み、深みは、他で見られない。

  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv23661/
  • 1953年/日本/135分
  • 監督:小津安二郎
  • 脚本:野田高梧 ノダ、小津安二郎 撮影:厚田雄春 録音:妹尾芳三郎
  • キャスト:笠智衆 / 東山千栄子 / 原節子 / 杉村春子 / 山村聰 / 三宅邦子 / 香川京子 / 東野英治郎 / 中村伸郎 / 大坂志郎


2007年5月19日土曜日

シクロ|CYCLO


アジアの映画を見ると、行きたくなるような作りをしている観光案内映画は数多いけれど、この映画は毒が強いので、私は行きたくなるが、行きたくない人も出てくるだろう。貧困、汗、暴力などの現代ホーチミンの裏の毒だ。

場面は10数年前のベトナムホーチミン。豪華な高層ホテルが建ち始める一方でその隣にはスラム街が広がる。主人公は、シクロと呼ばれる輪タクの運転手として働く青年(レ・ヴァン・ロック)。シクロを盗まれたのを期に、犯罪に加担せざるを得なくなり、徐々に精神が壊れていく。1作目「青いパパイアの香り」で、静かでみずみずしいベトナムの美しさを描いたトラン・アン・ユン監督が、一転してどろどろしたテーマを描いている。

毒がない花は退屈とも言えるし、ひっかかりがなくスムーズな造形は面白くないので、これは私的には、あり。

  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv29692/
  • 1990年/フランス、香港、ベトナム/128分
  • 監督:Tran Anh Hung トラン・アン・ユン
  • 音楽:Ton That Tiet トン=ツァ・ティエ
  • キャスト:Le Van Loc レ・ヴァン・ロック、Tony Leung 梁朝偉 トニー・レオン、Tran Nu Yen Khe トラン・ヌー・イェン・ケー、Nguyen Nhu Quynh グエン・ヌ・キン
  • 第52回(95年度)ヴェネチア国際映画祭グランプリ



2007年5月14日月曜日

晩春



  • 1949年/日本/108分
  • 監督:小津安二郎 原作:広津和郎「父と娘」
  • キャスト:笠智衆、原節子、杉村春子、ほか


2007年5月6日日曜日

珈琲時光


侯 孝賢(ホウ・シャオシエン)繋がりで見たのだが、ほんとに台湾の映画監督なのか??。まいった。小津安二郎生誕100年を記念して作られた日本映画なのに、最近の日本映画よりもはるかに日本映画していた。よい意味で。

特に、日常の美しいしぐさをきれいに撮っていたのが印象的。ベトナムの「青いパパイヤの香り」の料理や食事のシーンの美しさを思い出した。

私のお気に入りリスト入り。

小津映画、侯孝賢映画、東京をテーマにしたいろいろな映画を観よう。

  • 詳細 http://movie.walkerplus.com/mv34320/
  • 2003年/台湾・日本/104分
  • 監督:侯孝賢(ホウ・シャオシェン)
  • 出演:一青窈、浅野忠信、小林稔侍、余貴美子
  • 主題歌:「一思案」(作詞:一青窈 作曲:井上陽水)


2007年5月5日土曜日

芙蓉鎮


  • 1987年/中国
  • 監督:謝晋 シェ・チン
  • キャスト:劉暁慶 リュウ・シャオチン(胡玉音)、姜文 チアン・ウェン(秦書田)


2007年5月3日木曜日

バベル | BABEL


ここまで涙が流れ、人が泣き、叫ぶ映画を初めて見たかもしれない。他人が涙を流すまでのプロセス、善人の涙の訳ををたくさん。それも伝えたいのに伝わらないもどかしさの結果表現としての涙。なんだか最近、喜怒哀楽が減って、めったなことでは涙を流していなかった自分が、涙を流せそうな気になった。これが最大の発見。

そういう意味で、自分にとって記憶に残る映画になったし、とても見る意味があった映画になった。

ブログのレビューは賛否両論のようだったが、私にはよかった。

また、シナリオ、監督の演出について。世界3カ所で展開する物語をだんだんピースがはまるように観客に理解させるというのは、チャレンジングなことだったと思う。それだけでもすでに評価に値すると思ったのだが、実際、私はぐいぐい引き込まれ、そこそこ理解力は要求されたが、ちょうどよい歯ごたえで理解できた。監督と脚本の力だと思った。

アカデミー賞監督賞もなるほど納得。


  • 2006年/アメリカ/143分
  • 監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
  • 出演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、菊地凛子
  • 公式サイト:http://babel.gyao.jp/